草津温泉にて2(後編)

 今朝の草津は晴れ。さすが高原だけに、朝の気温は3℃を切りました。朝の露天風呂がなんとも気持ちよかった~♪

 朝食はビュッフェスタイル。前に泊まったときは冷菜を盛り合わせた一皿が付いていたけど、なくなったみたいです。中途半端だったしね。キッシュに添えられたキノコソースがとっても美味しかったです。

 食後はバルコニーでコーヒーを飲みながらしばしまったり。
 今回はひたすらのんびり温泉三昧するのが目的。この後はひたすらお風呂とベッドを行ったり来たりしながら先日お買い上げした新刊でも読んで過ごそうと思ったのですが、季節外れの暖かさとなった好天に誘われて少しお散歩してみることにしました。

 向かった先は、旧太子線の太子(←「おおし」と読みます。)駅跡。草津からクルマで20分くらいのところにあります。
 太子線とは、吾妻線の長野原草津口駅から分岐して白砂川沿いに北へ6kmほど伸びていた支線です。もともとこのあたりにあった鉱山から鉄鉱石を輸送するために設けられた路線でしたが、鉱山が閉山となりこの太子線も廃線となりました。ちなみに、鉱山の採掘跡地はチャツボミゴケ公園になってます。

 駐車場から階段を降りるとやけに真新しい駅舎があります。それもそのはず、これは平成30年に復元されたものだそうでして。

 町外からの観光客は入場料¥200がかかります。駅舎の窓口で購入したチケットがこちら。太子線廃止当日の硬券がデザインされています。

 改札口を抜けるとホームが復元されています。駅名票も平成25年に復元されたもの。

 1面2線のホームには当時を偲ばせる貨物車両が置かれているのですが・・・

 こちらの有蓋車は大井川鐡道からの譲渡品。

 こちらは京都交通公園から移設されたヨ6720。貨物列車の車掌車です。
 どうやら太子線ゆかりの車両ってのはないみたい。

 こちらの車掌車は車内に入ることもできまして・・・

 こんな鉄鉱石が展示されています。
 今後、さらに貨物車両が増える予定もあるんだとか。

 でも、この旧太子駅跡の最大の目玉は、このホッパーの跡。
 鉱山で掘り出された鉄鉱石はこの駅まで国道292号線を利用して輸送され、このホッパーで貨車に積み替えていました。昭和46年に廃線となった後は放置され駅跡地は児童公園となっていたようなのですが、平成26年にこの遺構を復元することとなり現在に至ります。

 線路も一部復元されています。ただ、ホッパー内部は崩落の危険があるため立ち入り禁止。たしかにいつ崩れてもおかしくない感じですが、それがまたインスタ映えするシュールさですねー。

 この旧ホッパー棟は、令和3年に登録有形文化財に指定されたそうです。

 駅舎内には、鉄道ファンがよだれを流しそうなグッズが展示されていたり・・・

 当時の貴重な写真が飾られています。
 この太子線ですが、廃線跡のうち長野原草津口駅近くの鉄橋は現存(ただし当然ですが立入禁止。)しているほか、2本のトンネルのうち1本も地元住民向けに道路として利用されているそうです。

 窓口の脇には、廃線当時の運賃表が飾られていました。係の人の話では、草津温泉や野反湖などへの運賃はバス運賃のことなんだそうです。
 ちなみに、今は長野原草津口駅から東京山手線内までの普通運賃は3,080エン。隔世の感がありますねぇ。

 外に出ると、暖かさに誘われたのか桜が咲きかけてました。

 太子駅から国道をしばし北へ。白砂川沿いに進むと、ふと物騒な名前の看板を目にしました。
 車を降りて藪の中を分け入ると、そこにあったのがなかなか見事な滝。

 その名も「殺人の滝」。物騒なネーミングです。
 以前行ったヴェネツィアの「暗殺者の路地」は単に雰囲気が暗いからという理由のネーミングでしたけど、こちら「殺人の滝」は「昔、ある行者が旅の途中にこの村に立ち寄り、村人達が金品目当てに行者を菰にくるんでこの滝に突き落として殺したという民話が残っており、そこから名づけられた」という正真正銘の物騒な由来だそうでして。ぶるぶる。

 宿に戻ったら、ひと風呂浴びてしばし昼寝。なんとも極楽な時間が流れていきます・・・

 ふと気付くと夕食のお時間。
 レストランに行くと、昨日と同じ方が担当だったのでワインも「昨日の動物シリーズで」とお願いしちゃいました。
 食前酒はピンクグレープフルーツのスパークリングワイン割りです。

 連泊のお楽しみは2日目の食事。たいてい初日より豪華になります♪
 オードブルはきんかんのクリームチーズ詰め、サーモンとコンソメスープのゼリー寄せ。リースリングの白ワインにピッタリです。
 前菜2皿目は春キャベツのブリオッシュ・カレー風味のサモサ。料理自体もさることながら、付け合わせの春キャベツのドレッシングが美味しかったです。
 温菜はハマグリのカークパトリック、つまりオーブン焼き。白ワイン向きの料理が続きます。
 スープは花豆のスープ。花豆を使ったヴィシソワーズでした。美味しいって喜んでたら、草津の名産品だと教えてくれました。
 魚料理は鰆のアングレーズ。要するに鰆のフライです。ショロンソースが美味しかったけど、揚げたてアツアツでいただきたかったなぁ。
 肉料理はメダイヨンステーキか牛バラ肉の赤ワイン煮込みからセレクト。赤ワイン煮込みを選んだのですが、これが大正解。濃厚なソースに牛脂が溶け出して、それをからめていただくアスパラの美味しいこと!

 これを食べ終えたところで係の女性が「先ほどワインに詳しい者に動物の赤ワインがないかきいたら、キツネがいるそうです。」とおっしゃいましてね。
「もうちょっと早く言ってよー!絶対頼んだのに。」と爆笑。
 デザートは苺のジェラートとケーキ。春らしさを感じさせるデザートでした。

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