草津温泉にて1(その2)

 翌朝。起き抜けに何の気兼ねもなくお部屋の温泉に入れるってのはホントにラクですねー!
 のんびりとくつろいでから朝食会場へ向かいます。お外はとっても良い天気でした。

 朝食は洋食か和食のプレートと野菜ジュースが出てくるほかは、ビュッフェ方式で自由に選びます。ビュッフェでは高級ホテルでは定番のライブキッチンもあってオムレツなどをサーブしてくれました。
 ほかのホテルみたいに完全なビュッフェ方式でもいいのでは?と思いますけど、何かこだわりがあるのかしら。まあ見た目もキレイだし美味しかったから文句はないけど。

 さて、朝食後はひと風呂浴びてからお外へ。真夏ですけど気温は20℃前後。さすが標高1,100mの高原だけにとっても気持ちの良い涼しさです。
 まず向かったのは、ホテルから歩いて10分くらいのところにある草津温泉バスターミナルです。
 草津町役場のお隣というまさに草津温泉街の中心にありまして、1階が待合所と観光案内所、2階が切符売り場とコンコース、3階は図書館となっているのですが3連休明け火曜日の今日は休館日でした。

 1階待合所の片隅にあったのが、旧草軽電気鉄道で使用されたデキ12型電気機関車。
 草軽電気鉄道というのは、軽井沢と草津温泉との間約55.5kmを結んでいた軽便鉄道です。全線開通したのは大正15年。開通当時は物資輸送や観光輸送、そして兵士の出征の足にもなるなど重要な地域交通を担っていたそうなのですが、惜しむらくは開通前から資金難に悩まされトコトン建設費をケチったそうでして。
 草軽鉄道線は今の万座・鹿沢口駅あたり(海抜約781m)を経由して草津温泉と軽井沢とを結んでいたそうなのですが、そこから草津温泉(海抜約1,100m)まで標高差約320mあります。箱根登山鉄道線ほどではないにしても、相当なものですよね。それなのに、そもそもの規格が軽便鉄道(軌間762mm。ちなみに普通鉄道(狭軌)が1067mm、箱根登山鉄道は開通当時における急勾配向けモーターのサイズの都合で新幹線と同じ1435mm。)だしトンネルの掘削費用をケチって迂回ルートを採用するなどしたため、上州三原駅(今の万座・鹿沢口駅あたり)から草津温泉駅まで1時間15分、全線だと2時間半から3時間を要したんだとか。もともと地元の水力発電会社が資材輸送目的で建設されたものなので、スピードは重視しなかったんでしょうか。
 結局、スピードに勝るバス(現在のダイヤだと長野原草津口駅から草津温泉までが30分弱、軽井沢からは約1時間半程度。昭和39年に草津道路が開通する前だともうちょっとかかったでしょうね。)に客足を取られて大赤字を叩き出した挙句、台風で流された橋の掛け替え費用を捻出できずに昭和37年に廃線と相成ったそうでして。
 ちなみにこの草軽鉄道線は、終戦間際になって箱根登山鉄道と同じいわゆる大東急傘下に入ります。最初から東急グループによってしっかりと作られていれば、それこそ箱根登山鉄道並みの素晴らしい観光資源になりえたのではないかと思いますが・・・なんともモッタイナイお話です。

 さて、草津温泉バスターミナルから坂道を5分ほど下ったところにあるのが、テレビでもおなじみの湯畑です。さすがに草津の中心的な観光名所だけに、観光客がたくさんいます。かなり「密」な感じですねー(苦笑)

 草津温泉街のど真ん中でこんこんと湧き出す高温の源泉は木樋を通して湯温を下げてから各旅館に配湯されるわけですが、その源泉と木樋とがロータリーで囲われて観光名所となっています。ちなみに、このロータリーのデザインは岡本太郎さん監修なんだとか。
 そうそう、今回初めて草津を訪れるまで湯畑の見た目から草津温泉って硫黄泉だと勘違いしていたのですが、実際には一部に硫黄泉もあるものの大半は無色透明の酸性泉なんだとか。今回泊まったホテルは3つの源泉を使用しているそうですが、すべて無色透明でした。酸性度が非常に高い(ph1.7~2.5くらい。)のが草津温泉の特徴だそうで、それにより抗生物質よろしく殺菌効果を期待できるってことなんでしょうか。

 山の天気は変わりやすいと言われますが、お空がどんよりとしてきたので大急ぎでホテルに戻ります。そしてクルマに乗って、白根火山に向かいました。
 草津白根山は活火山でして、今でもしばしば噴火してますし、山頂近くは火山ガスが充満しています。なので、山頂近くを走る国道292号線も一部区間は火山ガスの中毒防止のため駐停車禁止となっているほか、有名な火口湖「湯釜」近くの駐車場やレストハウスも立ち入り禁止になっていました。当然、白根火山に向かう路線バスも運休中です。
 仕方ないので、山の中腹にある展望台で一休み。

 この日、下界では最高気温が39℃とあり得ない高温が予想されていたそうなのですが・・・

 ここの気温は15℃!
 半袖シャツじゃかなり肌寒いです。

 風邪をひいちゃいそうなので、そそくさと草津に戻って今度は中之条町の方へドライブ。その途中、こんな絶景ポイントがありました。

 向かった先は「チャツボミゴケ公園」です。
 もともとは鉄鉱石を採掘していた鉱山だったらしいのですが、その跡地を含む周辺一帯が公園になっているんだとか。

 公園の入り口からチャツボミゴケ群生地までは1kmほど山道を進んだ奥なのだそうですが、その300mほど手前までは送迎バスで行くことができます。鉱山だったころは索道(ロープウェー)があったそうです。

 バスに数分揺られたところで湿地の入口に到着。ここから300mほど山道を歩きます。道にはゴム製のすのこが敷かれていて歩きやすくなっていました。

 10分ほど歩いたところで「穴地獄」と呼ばれる湿地帯に到着です。

 「地獄」と名付けられているだけあって、沢の水に触れるところは見事に草が生えておらず、苔だけになっています。この苔が強酸性にも耐えられる特別な種類ってことなんでしょうね。

 こんな強酸水でもヤゴは育つのでしょうか。オオシオカラトンボがあちこちで飛び回ってました。

 お宿に戻ってお風呂で一息ついてから、今日は早めの夕食です。
 ぶどうのスパークリングの食前酒のあとで、前菜一皿目はサーモンのタルタル仕立て。これがねー!ホントに白ワインとピッタリでして。危うくこの一皿でグラス1杯飲み干すところでした。
 焼き立てパンに続いて出てきた前菜2皿目は、白ワインとの相性ピッタリなローストポークサラダ添え。今日のコースは昨日とは打って変わってめっちゃワタシ好みです。
 スープは浅草「マノス」名物の鶏ささみとキノコの壺焼きスープ。パイ生地のフタを崩すと、中には濃厚なクリームスープがありまして、これがバターの風味が効いたパイ生地とよく合います。美味しかった♪
 魚料理は尾長鯛とホタテのポワレラタトゥイユ添え。バルサミコの酸味の効いたソースが添えられていまして、白ワインが一瞬でカラになりました。
 メインは牛フィレ肉のストロガノフか牛フィレ肉のソテーのどちらか。ソテーを選択したのですが、出てきたのはウェルダンのお肉でがっかり。しかも冷めかかってたし。「マノス」名物のストロガノフにしておけば良かったなーと後悔しました。
 昨日と同様に「ご飯と味噌汁」は丁重にお断りしてデザートのキャラメルムースと抹茶のアイスクリーム&フルーツをいただいてからロシアンコーヒーでひととおり。
 昨日よりはずっと美味しかったけど、メニューの選択を間違えたのが悔やまれます。

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