草津温泉にて1(その1)

 去年の今頃は「来年こそは2年分潜ってやる!」と息まいていたような記憶がありますが、フタを開けてみるとまさかの2年連続海無しと相成りました。

 春くらいまでスガ総理が目論んでいた「ワクチン普及によるコロナ終息」+「五輪メダルラッシュによる盛り上がり」=「支持率ウナギ登り」という方程式は見事に外れ、ワクチン供給は還暦世代が一段落したところでガス欠、五輪は無観客で盛り上がりもイマイチという体たらく。お盆を前にウナギ登りなのは感染者数と病床使用率だけという惨状でございまして。
 今頃になって各大臣が「お盆の帰省は絶対に控えて」と呼びかけているものの、巷で聞こえてくるのは
「中止の考えはない。強い警戒感を持って帰省に臨む」
「バブル方式で帰省する。感染拡大の恐れはないと認識している」
「コロナに打ち勝った証として帰省する」
「帰省を中止することは一番簡単なこと、楽なことだ。帰省に挑戦するのが国民の役割だ」
「安心安全な帰省に向けて全力で取り組む」
「帰省が感染拡大につながったエビデンスはない。中止の選択肢はない」
「帰省について限定的、統一的な定義は困難」
「実家を訪問するという認識。帰省するという認識ではない」
などと五輪を強行したスガ総理をはじめとした迷答弁をもじった大喜利まがいの声ばかり。空港や新幹線ホームの人出も、例年ほどではないにしても去年とは大違いの賑やかさとなっております。
 そんなこんなで何とも空虚さばかりが漂う中、コロナ2年目の夏休みを迎えることに相成りました。

 ま、後期高齢者の両親はともにワクチン接種を終えてますから↑のような言い訳とともに一年半ぶりで親の顔を見に行くという選択肢もあったのですが、ワタシの場合「実家」が目下絶賛感染爆発中の東京でして。世間様の常識とは逆に、帰省してアブナイのは実家の親ではなく自分の方。自宅のある北関東も感染者は着実に増加中ではありますが、お江戸よりははるかに安全です。自分だけが発症するのならともかく、同僚や「客」がいる職場にコロナの土産を持って帰るわけにもいきませんしね。味覚を失っておいしいお酒を楽しめなくなるのもツライですし。
 でも一方で、クソ暑い中ひたすら自宅警備員をしてるのもなぁ~と「じゃらん」を見ていたら、中にはまじめに自粛する方々もいらっしゃるのか同じ北関東の温泉地にも空室がちらほら。お値段的にはトップシーズンとなるこの時期、強気の料金設定のところもある一方でところどころ良心的なお値段のところもあるみたいです。

 そんなわけで、今年の夏は草津温泉で二泊三日の湯治旅に行くことにしました。もちろん、感染予防のため往復ともマイカー利用です。
 昔から恋の病以外は治るといわれる草津温泉。江戸時代の温泉番付では東の大関(←江戸時代までは横綱は一部の力士に贈られる称号に過ぎず、番付の最高位は大関でした。横綱が番付最高位となるのは明治中期以降のことです。)が定位置という天下の名湯ですが、その場所たるや群馬県の北西の端っこ。関越自動車道または国道17号で渋川まで行き、そこからは吾妻川沿いに走る国道145号線で長野原町まで約40km。長野原町からは国道292号草津道路で13kmちょっと・・・凄まじい山奥です。昨年6月に渋川から小野上温泉までの間に「上信自動車道」という無料の高規格道路が開通しまして30分ほど短縮されたのですが、それでも自宅から3時間半ほどかかりました。こんな秘境のような地に交通手段は二本のアンヨしかなかった江戸時代でも年間1万人が押し寄せていたというのですから、日本人はホントに温泉好きなんですねー。

(この写真は最終日に撮影)
 今回お世話になるのは「ラビスタ草津ヒルズ」。今年6月にプレオープンしたできたばかりのお宿です。

(この写真は翌日に撮影)
 美しい中庭を前にしたロビーで無料のコーヒーをいただきながらチェックイン。まだ正式オープン前だからなのか、ちょいと時間がかかりましたけどね。館内説明を受けたあとで、アサインされた4階のお部屋に向かいます。

 ドアを開けると、目の前には廊下が。いわゆるスイートルームってやつみたいです。
 左側には独立したトイレがありました。もちろん、ウォシュレット付きです。

 右側の引き戸を開けると、そこはリビング。ソファセットに大型テレビなどがあります。

 リビングのお隣はツインのベッドルーム。ここにも大型テレビがありました。滞在中は全然テレビは見なかったけどね。
 最近のお宿らしく、ベッドサイドにはコンセントとともにスマホ充電用のUSBコンセントも付いてました。

 リビングの壁には赤ずきんをテーマにした絵が。このホテル、グリム童話の世界をインテリアのモチーフにしているようで、ほかには白雪姫やヘンゼルとグレーテルをテーマとしたお部屋もあるようです。

 廊下の突き当たりは洗面所。そしてその奥にはシャワールームがありまして・・・

 シャワールームのさらに奥にはバルコニーにしつらえた浴槽が。

 この浴槽、なんと温泉みたいです。
 このお部屋のお風呂だけで十分なのですが、ちゃんと別に大浴場や貸切風呂なんかもありまして草津らしい温泉三昧を楽しめます。

 チェストの上にはお茶菓子やお水が。

 そして冷蔵庫の中にも水と紅茶(アールグレイ)のペットボトルが入ってました。これ、全部無料みたいです。

 そしてチェストの引き出しを開けると、中にはコーヒーカップやコップなどの食器に加えて、こんなコーヒーセットが入ってました。そういえば、系列のラビスタ函館ベイでもコーヒーミルが置いてありましたっけね。

 さて、一息ついてから大浴場に行ってみましょう。そういえば、お部屋の館内案内を見るとこんな源泉の案内がありました。

 お部屋のお風呂と大浴場のお風呂は源泉が別なんですね。ひとつのホテルで3種類のお湯が楽しめるみたいです。
 プライベート感満載のお部屋のお風呂もいいですけど、やっぱり手足を伸ばせる大浴場は格別です。しかも、いつ行ってもガラガラ、せいぜい1,2人しか行き会いませんでした。全室に部屋風呂が付いているのに加えて、部屋数も69室(いつ行っても混雑してた函館ラビスタは295室)と少なめだからでしょうね。

 お風呂の後は、大浴場の脇にあるラウンジへ。時間別でさまざまな無料サービスを受けられるみたいです。バーラウンジのような作りでしたから、本格オープンしてコロナ禍が落ち着いたらおいしいお酒をいただけるようになるんでしょうかね。

 そんなわけで、ビールとソーセージをいただいてお部屋へ。ラウンジでいただくこともできるみたいですが、混雑してたのでお部屋へ持ち帰っていただきました。同じ系列のホテルでも湯上りのアイスキャンディーやドリンクサービスなどはありましたけど、ビールが無料ってのは驚きです。

 夕食は2部制で今宵は遅い20時半から。ここのレストランは、浅草にあるロシア料理店「マノス」がプロデュースしてるみたいです。ロシア料理って初めてですが、どんなものが出てくるんでしょう?
 ウェルカムドリンクは桃のスパークリング。前菜は玉蜀葱ムースコンソメジュレ添え,蛸のマリネサラダ仕立て,ムール貝の香草バター焼き,チキンレバーペーストのカナッペ,夏野菜のピクルス。いきなり白ワインが進みます。
 ここで焼き立てパンのサーブがありました。今日は塩パンとライ麦パンの2種類。ライ麦パンというあたりがロシア料理っぽいかしら。普通はバターとオリーブオイルが付いてくるんだけど、ここではオリーブオイルの代わりに生ハムのペーストが付いてました。ライ麦パンとよく合ってましたね。
 前菜2皿目はキャベツロール。これ、浅草「マノス」の名物料理らしいですね。ソースがちょっとボルシチっぽいかな。6時間煮込んだというだけあって、とろとろのキャベツがとっても美味しかったです。
 お次はスープ。メニューを見ると「マノス風冷製ボルシチ」と書いてあったので何が出てくるかと期待していたのですが、出てきたのは何かのムースを添えたヴィシソワーズでした。ヴィシソワーズは大好きだから文句はありませんけど、ドキドキしてただけにちょっと拍子抜けでした。
 魚料理は海老巻きカニクリームコロッケに稚鮎のフリット。もちろんスーパーのカニコロよりはよっぽど美味しいけど、ここで食べなくても・・・って思っちゃいます。
 メインは鴨肉のローストハニーマスタードソースか上州牛のローストビーフシャリアピンソースのどちらかでして、今回はローストビーフを選択しました。那須ウェルネスの森では和牛らしい霜降り肉で一瞬でとろける感じでしたが、ここのはしっかりした赤身で食べ応えがありました。
 ここで、那須ウェルネスの森と同様に「ご飯と味噌汁」か「チーズ盛り合わせ」もお出しできますが・・・というお誘いが。もちろん、丁重にお断りしましたけどね。この「大食い向けサービス」も共立リゾートの共通項なのかしら。
 デザートはピスタチオケーキにカシスシャーベット,アングレーズソース。まあ美味しかったですよ。
 そして食後はロシアンティーかロシアンコーヒーのどちらか。ホントのロシアンコーヒーとなるとウォッカのカクテルになるのですが、ここで出てくるのは生クリーム入りのコーヒー。グラスの縁にはザラメがまぶしてあります。美味しいんだけど、ブラック好きのワタシとしては普通のブラックコーヒーの方がありがたかったかな。
 まだプレオープン段階ということでお酒の提供がやや遅かったり、メニューも正直ちょっと期待外れって感じでした。特にカニコロは・・・(苦笑)

 お部屋のお風呂で一息ついてから、共立メンテナンス名物の「夜鳴きそば」をいただきにラウンジへ。どこでも薄口醤油のシンプルなラーメンが出てくるのですが、このホテル限定でトマトスープのラーメンもあるんだとか。さすがに挑戦する気は起きませんでしたけどね。
 宿泊客は若い世代が多いのか、ラウンジは大賑わい。ちょっと「密」な感じだったのでさっさと食べ終えて部屋に戻りました。

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