霧島にて1(前編)

 思った以上に長期化したコロナ禍のせいで、虎の子のマイルが期限切れの危機を迎えました。JALのマイルは先日の十和田旅行で消化したのですが、お次はANAのマイルが4月に期限切れを迎えちゃいます。
 どうせなら年明けから再開した全国旅行支援を絡めてお出かけしたいなーと思いながらアレコレと検討した経緯については先日記事にしたとおりです。

 さて、ヒコーキは朝9時過ぎなので普段の出勤時間くらいに家を出ればよかったのですが、ちょいと早めに駅へ到着。予定より20分ほど早い電車に乗れちゃいました。これが、後でとても大きな幸運につながるとは夢にも思いませんでしたが・・・
 乗った電車は上野東京ラインの熱海行きだったのですが、上野駅付近で線路沿いの建物の壁が崩落したとかでまさかの上野駅どまりになりましてね。仕方なく京浜東北線に乗り換えて浜松町へ向かいます。
 浜松町からはモノレールで羽田空港に向かおうとしたのですが、乗り換え改札をスマホのSuicaで通過してモノレールのホームへ着いたとき、ふとあることに気付いて真っ青になりました。

財布を入れたリュックがない!

 なんと、京浜東北線の網棚にリュックごと財布を置き忘れるという大チョンボ。
 すぐさまJRの改札口に行き、駅員さんに泣きつきました。乗った電車も乗車位置も覚えていたのでそれを伝えると、幸い乗った電車が蒲田駅止まりだったのでそこで捜索してもらえることになりましてね。無事に回収してもらえました。コレがもし大船行きだったり京浜東北線ではなく山手線に乗っていたらと思うとゾッとします。
 駅員さんに最敬礼して、再び京浜東北線に揺られて蒲田駅へ。ホーム上にある忘れ物案内所で、無事にリュックサックを回収成功。この時点で時刻は8時20分過ぎでした。
 迷わず駅前からタクシーに飛び乗って、羽田空港の出発ロビーに着いたのは8時40分。手荷物預託の終了ギリギリです。もし予定通りの出発だったらこの時点で完全に乗り遅れ確定でしたねー。
 荷物を預けてプレミアムチェックインの保安検査の列に並んだのですが、この日はけっこう混雑してましてね。あっという間に保安検査場通過締切のお時間。GH(地上係員)さんに伝えたら、よりによって搭乗便が遠いサテライトターミナルからの出発だそうでして。「メッチャ、ヤバいじゃん。」という周りの声に助けられながら列を飛び越えて最先で保安検査をしてもらい、そこからダッシュする羽目に。
 バスラウンジからバスに乗り、サテライトターミナルに到着した時にはすでに9時過ぎ。ゲートを通過してヒコーキに乗ったときは心底ホッとしましたねー。結果的には後続のバスに乗っていた乗客もいたようでして、出発自体が20分ほど遅延していたのですが。

ANA621便 東京/羽田(HND)(09:10)→鹿児島(KOJ)(11:10)
使用機材 エアバスA321neo(JA134A)

 ヒコーキはD滑走路RWY23から離陸。ぐるっと東京湾上空を旋回します。

 三浦半島を横切って、相模湾を一路西へ。江ノ島がよく見えます。こういう機窓の景色を楽しめるのは窓側席の特権ですねー。席替えしておいて、ホントによかったー♪

 富士山目当てで一昨日の座席指定のときは右舷側窓側席をアサインしたのですが、狙いどおり♪
 ちょこっと傘雲をかぶってるのが残念ですが。

 伊勢湾上空。セントレア空港島がよく見えます。

 室戸岬上空。紀伊半島を超えたあたりから雲がでてきました。

 宮崎上空。左下に宮崎空港が見えます。徐々に高度を下げ始めてベルトサインも点灯しました。

 都城上空。遠くに見えるのが霧島連山です。
 やがて鹿児島空港RWY34に着陸しました。

 鹿児島空港は鹿児島県の玄関口であると同時に、奄美大島など薩南諸島への玄関口でもあります。鉄道の便はイマイチ(最寄り駅は肥薩線の中福良駅。バスはなく徒歩1時間かかります。)ですが、九州道の溝部ICがすぐそばなので鹿児島市内へのバスは15分間隔で運転されているほか、熊本や福岡へのバス便もあります。
 なのですが、お宿がある霧島温泉へ向かうバスは1日4便(うち1便は土日運休)でして・・・フツーの観光客はレンタカーを使うんでしょうね。

 長いバス待ちの間、まず向かったのはレストラン。何しろ、リュック置き忘れ騒動で朝メシも食いそびれたのでおなかペコペコです!
 鹿児島は豚骨ベースの鹿児島ラーメンというものがあるのですが、なぜかココでのお勧めは担々麺でした。山椒の香りがとても効いていて思いがけず美味しかったです。ちなみに、お支払いはSuicaが使えました♪

 続いて向かったのは、制限エリア外にあるラウンジ菜の花。航空会社のラウンジと違って、いわゆるカードラウンジは到着後でも使えるのがありがたいです♪

 入室時におつまみ2袋をもらえました。黒糖の柿の種とバナナフライ。後日美味しくいただきました。

 そろそろバスの時間。やってきたのは、ありふれた路線バスです。ちなみにバスチケットはバス停にある自販機で購入できます。ちゃんとクレジットカードも使えましたよん。

 鹿児島空港から宿がある霧島温泉の中心地、丸尾まではバスで30分程度。お値段は¥760です。
 バス停近くにちゃんと案内板もありました。

 てくてくと山道のような細い道を歩くこと10分。急に視界が開けると、今回泊まるラビスタ霧島ヒルズに到着です。

 この時点でまだ時刻は午後1時過ぎ。チェックインは始まっていないので、フロントに荷物を預けて再び丸尾のバス停へ戻ります。

 バス停脇にある、霧島温泉市場。飲食店や足湯、観光案内所などがある複合施設です。

 ここの観光案内所でお買い上げしたのがこちら。バスの1日乗車券です。今日と明日の分と、2枚買いました。

 さて、バス停に戻って待つことしばし。やってきた国分駅行きのバスに乗って向かった先はこちら。霧島神宮です。
 運賃は片道¥460。往復でも¥920なので¥1,100の一日乗車券だと損するように見えるのですが、あえて一日乗車券を使った理由は後程。

 道路から伸びる石段を上がると、コンクリートで舗装された参道が伸びています。

 参道の先にある広場。大きな鳥居が印象的です。

 祭神は瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)。天照大神の孫であり、神武天皇の曾祖父ですね。そして、まさに天界から高千穂峰へ天下ったヒト(?)でもあります。
 もともと霧島神宮は霧島連山を祭る山岳信仰の聖地だったようですし、霧島連山のひとつ高千穂峰はまさに天孫降臨神話の舞台ですから、当然祭神はその主人公となるわけですね。

 鳥居をくぐって境内へ。思ったより小ぢんまりとしています。

 重要文化財の勅使殿。朱塗りに豪華な彫刻が印象的です。その手前には行列ができてました。
 ワタシのような一般の参拝客が入れるのはここまで。勅使殿の向こうには登廊下が伸びていてその向こうに拝殿、さらにその奥に幣殿を経て本殿がありそちらは国宝なんだそうですが、そちらは特別拝観のときしか見ることはできません。

 境内の隅にひっそりと山へ向かう小道がありました。
 その先にあるのは、生木で作られた素朴な鳥居。

 鬱蒼とした杉木立の中にあるのは山神社。祭神は大山祇神(オオヤマツミノカミ)でして、この方は瓊瓊杵尊が天下って娶った木花開耶姫(コノハナサクヤヒメ)のお父さんです。
 瓊瓊杵尊が天下ったとき、大山祇神は木花開耶姫に加えてそのお姉さんの石長比売(イワナガヒメ)も嫁がせたかった(当時は一夫多妻が当たり前だったみたい。そーいや平安朝でも天皇は正妻である皇后・中宮のほかに女御だの更衣だのといったハーレムをつくってましたし、江戸時代でも将軍には側室がたくさんいましたね。一夫一妻制は明治以降の新しいしきたりなんですな。)ようなのですが、妹の木花開耶姫は美人だったのでウェルカムだったけど石長比売は残念な感じだったために、瓊瓊杵尊は妹の木花開耶姫だけを娶っちゃって姉の石長比売は返上しちゃいましてね。当然、お父さんの大山祇神は激オコ。この怒りゆえに神武天皇以降は永遠の命が得られなかったのだとか。ヒトに寿命があるのはそのせいというお話。
 女の子を泣かせるとその親父の怒りがコワイってのは、昔からおんなじなんですねぇ。

 さて、鳥居の手前の広場に戻ります。参道の左手、鳥居の反対側には展望台がありました。

 噴煙を上げる桜島がぼんやり見えます。もっと天気が良ければ開聞岳も見えそうですね。

 バス停に戻ります。しばらくしてやってきたのは、霧島周遊観光バスです。
 丸尾から霧島神宮を経由して国分駅へ向かう路線バスは悲しいことに1日4往復。次のバス(最終)まで1時間以上の待ち時間があったのですが、その前にこちらの周遊バスがあったんです。
 この周遊バス、予約制ながらも空席があれば路線バスのように途中乗降もできます。ただし、乗るには一日乗車券が必要でして、あえて往復運賃より高い一日乗車券を買ったのはコレに乗るためでした。
 この「霧島周遊観光バス」、乗ってビックリしたのは座席が両側の窓側1列のみ。しかも回転式リクライニングシートでして、真横に向けることもできるというもの。大型バスなのに定員がたった24名という贅沢さでした。
 とっても快適なバスに揺られて20分ほどで丸尾温泉に到着です。

 チェックインを済ませてお部屋へ。リゾートホテルだけに、お部屋は豪華です。雰囲気は同じ系列の草津ラビスタとよく似ています。あっちはリビングと寝室が分かれていて更に豪華だけど。

 もちろん大浴場(内湯2つに露天の岩風呂、そして露天の釜風呂が2つ)もあるのですが、さらにバルコニーにも露天風呂が付いてます。このお部屋が特別なんじゃなくて、全室そうみたい。
 ギリギリ足を延ばせるくらいの広さで、もちろん天然温泉。壁のボタンを押すと15分ほどで入れるのですが、真冬の今でも冷水を加えないと入れないほどの熱さでした。

 お風呂の外はこんな感じ。ちょっと人家が近すぎますねぇ。これじゃ囲いがないと女性は無理ですな。
 リビングと浴槽の間に脱衣所はあるのですが、草津ラビスタと違って洗い場は付いていません。ここの温泉は硫黄臭がけっこう強いので、湯上りにシャワーを浴びたいところかも。シャワーブースもあるのですが狭いので、ワタシは体を洗いたいときは大浴場、寝る前などにちょこっとお風呂に入りたいときはこちらと使い分けていました。なんてゼイタクなんだ!

 草津ラビスタと異なり、リビングと寝室が一体になってます。このほかにトイレとシャワーブース、洗面所がそれぞれ独立して付いてるのはポイント高いですねー。
 ひととおりのアメニティに加えて500mlのミネラルウォーターが置いてありましたが、草津や函館のラビスタにあったコーヒーミルセットはなし。代わりにドリップオンのコーヒーがありました。もっとも、フロントにいつでも無料でいただけるコーヒーサーバーがあるので、それで十分なんですけどね。

 ひと風呂浴びてからお楽しみの夕食。
 まずは食前酒でゆずのカクテル。

 夕食はイタリアンのフルコースです。
 オードブルは海老のマリネ、イワシのジェノバ風、豚のパテ、杏子チーズと干し柿のカナッペ、烏賊のカルパッチョからすみ添え。白ワインがくいくい進みます。
 パスタはかぼちゃのニョッキ。そしてパンも出てきます。
 スープはカブのポタージュ。蕪の甘さが美味しいです。こういうのは外食じゃないと食べられないですねぇ~
 魚料理は真鯛と月日貝。月日貝というのはホタテに似た鹿児島特産の貝でしてとっても美味でした。貝のスープをたっぷり吸ったロマネスコもオイシイです。
 サラダに続いてメインは黒毛和牛のローストか仔羊のハーブ風味から選べます。ワタシは仔羊をチョイスしました。どちらも黒豚コロッケがついてきます。更にはごはんとみそ汁も頼める(草津ラビスタや那須のウェルネスの森と同じですね。)ようですが、当然パスしました。頼むヒト、いるのかしら。
 デザートはクリームブリュレとマカロン。そしてコーヒーが出てきてひととおり。
 もちろん、共立グループおなじみの「夜泣きそば」はここでもいただけますけど、お腹いっぱいなのでパスしました。

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