今月13日にノーマスク解禁が発表され、長い長いコロナ禍もついに終焉の兆しが見えた春。 このニュースを聞いて、ふと思いついたのが山陰本線完乗の旅です。 |
東海道新幹線 のぞみ287号 |
お家から始発列車に揺られてたどり着いたのは早朝の東京駅。飛び石4連休だけに、6時台なのにかなりの混雑です。大混雑の新幹線窓口を尻目にえきねっとで予約したチケットを引き取ってホームへ向かいます。 |
乗車したら、まずは腹ごしらえ。ホームで買ったのは品川駅の駅弁「貝づくし」。 |
その名のとおり、茶飯の上に「あさり」「しじみ」「はまぐり」「ほたて」「イタヤガイ」の5種の貝が乗ったお弁当。しっかりと茶飯の上には海苔が敷いてあるのがニクイです。江戸時代には品川沖でこういった貝がたくさんとれたんでしょうねぇ・・・今じゃ品川で潮干狩りなんて考えられないけど。 |
京都駅には定刻に到着。東京駅から2時間ちょっとで京都に来られる、しかもそんな列車がひっきりなしに走っているなんてすごい時代ですねぇ。オイラの学生時代なんて、東京駅を23時40分に出発する夜行の鈍行列車から乗り継ぎを重ねて京都着は翌朝8時過ぎだったっていうのに。 |
京都駅ではいったん改札口を出てみどりの窓口へ。大行列を尻目に、売り場内に設置された「みどりの券売機」(←JR東日本でいう指定席券売機です。)でネット予約したチケットを発券します。 |
山陰本線 きのさき3号 |
さて、いよいよ山陰本線の旅が始まります。 京都駅の山陰本線専用ホーム31番線~34番線は、始発駅らしく頭端式。行き止まりの線路が4本刺さっています。 京都駅を出発するとしばらくは京都市街を走りますが、10分も走ると住宅地、そして緑が増えてきます。嵯峨嵐山駅を通過すると、トンネル続きに。トンネルとトンネルの合間には保津峡の絶景が垣間見えます。この区間、昔は保津川沿いの非電化単線区間だったものが、1989年に現在のトンネル続きの路線へ切り替わりました。一方、旧線は平成3年にトロッコ列車が走る観光路線「嵯峨野観光鉄道」として再出発。コロナ禍前は利用客の3分の1が外国人というインバウンドを象徴する存在になっていたようです。 |
山陰本線 こうのとり3号 |
福知山駅は、大阪方面から来る福知山線との接続駅。ここから電化区間の終点である城崎温泉駅までは、京都発着の特急「きのさき」と新大阪発着の特急「こうのとり」が交互に運転しています。ワタシが乗った「きのさき3号」は福知山駅止まりなので、ここから先は接続する「こうのとり3号」に乗り換え。なお、特急料金は基本「列車ごと」なのですが、この福知山駅での乗り継ぎの場合は特例で乗り継いでも直通列車と同額で計算されます。 |
山陰本線 普通 城崎温泉(11:56)→鳥取(13:57) |
福知山駅から1時間ほどで城崎温泉駅に到着。 |
車内はこんな感じ。18きっぷシーズンだけに「同業者」もけっこう乗っていましたが、それでも4人掛けボックスシートに2人ずつ座って全部が埋まる程度でした。高校生も数人乗っていましたね。これで通うのって大変だろうなぁ。 |
城崎温泉駅から鳥取駅までは、リアス式海岸沿いにのんびり走ります。トンネルを抜けると谷間に集落があって駅があり、再びトンネルに入って・・・といった感じ。ところどころ山中のトンネル前後に急カーブなんかもあって、25km/hの速度制限がかかってました。一応、播但線からの特急「はまかぜ」も1日2本(うち1本は香住駅止まり)あるんだけど、ほぼ鈍行オンリーのローカル線区間です。 |
城崎温泉駅から50分ほどで餘部駅に到着します。 |
旧橋も餘部駅側に隣接する形で僅かに残してあり、「余部鉄橋「空の駅」」という観光展望台となっています。そのせいか、駅はけっこう賑わってましたね。列車も1分ちょっと停車してくれていました。 餘部駅から先は海からやや離れた山の中を走ります。松葉ガニで有名な浜坂駅で列車交換のために10分ほど停車した後、再びトコトコと山道を走行。午後2時前に鳥取駅に到着しました。 |
鳥取駅は2面4線の高架駅。改札口の外には高架下を利用した商業施設「シャミネ」なんかもあったりしてなかなか立派です。 |
でも、やっぱり本数が少なすぎて利用客は少ないんでしょうね。県庁所在地駅なのに自動改札はありませんでした。同じ鳥取県でも米子駅はICOCAエリアに入っていて自動改札機もあるんですけどね。 |
さて、鳥取といえばカニ。改札外の売店で名物駅弁「かに寿し」をいただきます。 |
贅沢にカニの身を敷き詰めたお弁当。付け合わせの奈良漬と塩昆布がいい感じでした。 |
かに寿しを食べ終えてホームに戻ると、米子行きの普通列車となるキハ120形が停車中。これに乗って行ってもいいのですが、途中で特急の通過待ちがあり米子着は1時間以上遅くなるので1,000エン課金して特急を利用することにしました。 |
山陰本線 特急スーパーまつかぜ7号 |
やってきたのはキハ187系のスーパーまつかぜ7号。 |
さて、鳥取駅から出雲市あたりまでは鳥取平野、倉吉平野、米子平野、出雲平野と沖積平野が連続して続きます。平野と平野の間には山地があるものの基本的には線形は良く、1線スルー化などの高速化工事もされていて列車は快適にすっ飛ばします。 |
夕方4時過ぎに米子駅へ到着。時間帯の影響もあるんでしょうけど、鳥取駅よりよっぽど人が多かったです。山陰から山陽へ抜ける主要ルートである伯備線特急「やくも」の発着駅だからでしょうね。折よく入線してきた岡山行き特急やくも24号は、国鉄リバイバル車両でした。 |
その伯備線へ乗り換える人の大混雑を尻目に、ワタシはひっそりとした0番線へ。何やら懐かしいイラストを身にまとったキハ40形が佇んでいました。 |
境線 普通 米子(16:31)→境港(17:17) |
境線は米子駅から隠岐諸島への連絡船が発着する境港駅までを結ぶ路線。わずか17.9kmの間に16駅もあり、まるで路面電車のような雰囲気があります。そのせいで、米子駅と境港駅との間の所要時間は50分弱。一応高速化工事はしてあるのだそうですが、あまりに駅の間隔が短すぎてスピードを出せないみたいですね。それに単線なので列車交換もしなきゃだし。 |
境線の終着駅である境港市は「ゲゲゲの鬼太郎」で知られる水木しげるの出身地。それにちなんで、列車は「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクターを内外に描いたラッピング列車となっています。 |
境線が発着する米子駅0番線ホームにはこんな看板も。 |
ベンチにもねずみ男のイラストが。列車のアナウンスもアニメの声優さんが担当していました。 境線は米子近辺の生活路線となっているようで、通学客や買い物帰りのお年寄りなどがたくさん乗っていました。区間によっては立ち客が出るほどの混雑ぶり。一方で、途中には米子空港駅があり文字どおり米子空港に直結(徒歩5分)していることから観光客もけっこういました。米子空港駅と米子駅との間の所要時間と本数をもっとなんとかすれば、利用客は増えそうですけどねぇ・・・ |
終点の境港駅に到着。終点までかなりの数の乗客がいましたね。 |
駅前。小さな駅ですけど、キレイです。駅前には鬼太郎キャラクターのオブジェが。駅から伸びる道も「水木しげるロード」といってあちこちにオブジェがありました。 |
今宵のお宿はこちら「夕凪の湯 御宿野乃」。境港駅の目の前にあります。飛び石連休かつ全国旅行支援シーズンだけに、素泊まりでも¥14,400でした。高っ! そんなお高いお宿なのに、フロントは長蛇の列。今の列車の乗客たちに加えて、団体客なんかもいたっぽいです。20分ほど待たされてようやくチェックインしたあとは、フロント前の靴箱(学校の昇降口みたいな感じ。)に靴をしまって、裸足でお部屋に向かいます。 |
お部屋はこんな感じ。和室だけどベッドがあります。 |
トイレは独立していて、もちろんウォシュレットも付いてます。 |
トイレの横にはシャワーブース。浴室はなく、代わりに温泉の大浴場(露天風呂付き)が最上階にあります。ちゃんと洗い場には仕切りも付いていて快適でした。 |
ミネラルウォーターの500mlペットボトルと、お茶菓子代わりのゼリーが冷蔵庫にありました。 |
食事が付いていないので、夕食を求めてお外へ。近くの食堂で海鮮丼をいただいても良かったのですが、駅からスーパーマーケットが見えたのを思い出してそちらへ。 |
戦利品がこちら。このほかに翌朝の朝飯用におにぎり3つを付けてお値段¥2,700ナリ。 |
「上ブリ」の握り寿司は絶品でした♪ |
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