ヴェネツィアにて(その5)

 翌朝。朝食後は昨日に引き続き41番のVaporettoに乗って北へ。Fondamenta.Nuoveからもう一駅乗り越します。何やら壁に囲まれた島が見えてきました。

 着いたのは、Cimiteroという船着き場。岸壁は一面の壁です・・・

 細い扉の向こうには、何やらいわくありげな門がありました。

 門の向こうは静寂の世界。そして、寺院。
 そう、ここは墓地の島、サン・ミケーレ島(San Michele)です。そしてこちらの寺院はサン・ミケーレ・イニーゾラ教会(chiesa di San Michele in isola)。いわば、ヴェネツィアのお墓とその墓守のようなところです。

 回廊の壁も一面のお墓。

 教会の外には、マンションのような壁墓地がありました。

 うーん、こんなギュウギュウのお墓は嫌だなぁ~

 でもね、仕方ないんだそうです。
 かつて、ベネチアで亡くなった方は無数にある教会の敷地にお墓が建てられたそうなんですが、すでに見てきたとおりベネチアの土地は建物と路地とで既にいっぱいいっぱい。そんなところにお墓(←ちなみに、こちらでは火葬ではなく土葬が一般的です。)というのは衛生的にもイマイチ。そこで離島であるここSan Micheleにすべてのお墓が移されたそうなのですが、この島とて無限にお墓のスペースがあるわけではありません。なので、いったん普通のお墓に埋葬し、数年経って御遺体が白骨となったあたりで掘り出し、こちらの壁墓地に改葬してるんだとか。
 私なら、こんなトコで永遠に眠らされるくらいなら散骨してほしいなんて思っちゃうけど、こちらの方々は違うんですかね?

 別の区画は普通の墓地。

 さらにはちょっと大きめのお墓が並ぶ一画も。

 数々のお墓を見守るように建つこの島のもう一つの教会、サン・クリストフォーロ教会。小ぢんまりとしてかわいい感じの教会ですね。

 さてさて、船着き場に戻ってから再びVaporettoに乗りましょう。向かった先はSan Micheleから10分ほどさらに沖合にあるムラーノ島です。

 Murano島の玄関口、Colonnaに到着♪

 Muranoはヴェネツィアン・グラスの聖地。その製法を保秘するために、すべての職人を移住させたのがこの島です。
 そのまま現代まで、ヴェネツィアン・グラスの工房が多数設けられており、工房直営のショップも数多くあります。

 さて、このMurano島はぐるりと周囲を運河で囲まれており、周囲の島と橋などで一体化しています。そのぐるりと囲む運河がそのままVaporettoの航路になっていて、Murano島には6か所の船着き場が設けられています。

 島の中心部からの眺め。運河沿いのお店の半分くらいはヴェネツィアン・グラスのショップです。

 ムラーノ島中心部のサント・ステファノ広場にある鐘楼。手前にあるのはガラスのオブジェかしら。

 さらに奥へ進むとガラス博物館もあったのですが、残念ながらチケットの窓口はお昼休み中。ネットで事前購入しておけばよかったですねー。仕方ないので、ミュージアムショップでお土産をお買い上げするだけでした。

 お土産はこちら(お家で撮影)。ガラスのペーパーウエイトにコップを2組です。一応「made in murano」ってシールが貼ってあったけど・・・どうだろ。

 ガラス博物館のさらに奥にあったサンティ・マリア・エ・ドナード教会(Ss.Maria e Donato)。なんか、とっても古そうな教会です。後で調べたところでは、中にはヴェネツィアン・グラスのシャンデリアがあるんだとか。見とけばよかった・・・

 さてさて、お帰りは3番のVaporettoでローマ広場まで直行しました。

 着いた先は、ヴェネツィアの鉄道の玄関口、サンタ・ルチア駅です。中世の香り漂うヴェネツィア市街から来ると、普通の近代建築がすごく新鮮に感じますね。

 駅の電光掲示板。イタリア各地への列車がひっきりなしに出発しているようです。

 駅前広場。夢とうつつとの境目ってところでしょうか。
 ここから2番のVaporettoでのんびりと大運河クルーズを楽しもうと思ったのですが、これがものすごい混雑でして・・・仕方がないので、41番のVaporettoで島の南側をぐるっと回ることにしました。

 バスの玄関口であるローマ広場にかかる橋。このあたりは「現実世界」的な近代建築物を多く目にします。ちょっと、現実に引き戻された気分。

 島の南側にあるジューデッカ運河は大型客船も通行可能なので、多くの大型船を目にします。あのマストがたくさん立ってる船は帆船かしら?

 ワタシはそのままのんびりとVaporettoのクルーズを楽しみます。

 S.Zaccariaを通過してしばらく行くと、何やら変わった建物を発見。ちょっと降りてみましょうか。

 建物の真ん中がCalleになってるようです。その向こうには洗濯物が・・・

 この辺りのCastello地区はヴェネツィアの住宅街。折しも洗濯物が満艦飾になってます。

 さすがに、この辺まで来る観光客は稀なんでしょうね。見かける人は地元住民っぽい方ばかり。

 にゃあ~☆

 ん?なんか、日本っぽい香りもしますが・・・なんでしょ?

 S.Martino教会。
 川をまたいで洗濯物がずらり。風で川面に飛ばされないのかしら。

 木製の橋の向こうは公園っぽいです。


 急に緑豊かになってきました。蚊も豊かでしたが・・・

 リメンブランツェ公園(Parco delle Rimembranze)です。バスケットコートのほかにも小さなサッカー場なんかもありましたよ。また、公園の一角はトリエンナーレの会場になってました。

 売店でレモネードを買って一息ついてから、この公園に隣接するS.Elena船着き場から1番のVaporettoで戻ります。

 やってきたのはアルセナーレ(Arsenale)。Vaporetto乗り場の名前にもなっています。

 要するに造船所なのですが、海軍の基地も兼ねてます。当然、中には入れません。この3匹の親子のライオンはいったいなんでしょうね?
 近くには海軍直営の海洋史博物館もありまして、古今東西の船の模型や海軍の軍服などが展示されてました。天正遣欧使節の影響か、桐の御紋が入った大きな布(旗か、羽織の一部なのか?)も展示されてました。

 その日の夕食はSchiavoni河岸にあるリストランテでいただきました。こちらのパスタにワインを付けて、たしか30ユーロくらいとられた気が。美味しかったけど、高いです~!

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