ヴェネツィアにて(その2)

 翌朝。まるで運動部の合宿所と化している朝食会場を尻目にさっさとチェックアウト。東横インなので朝食は無料ですが、あの凄まじい人数の外国人観光客に交じって食事する気分にはとてもなれません・・・
 貸し切りの無料送迎バス(外国人観光客たちは大型バスで出発するみたいです。)で空港に戻りました。

 朝の8時前で既にエコノミーのチェックインカウンターにはそこそこの列ができてましたが、ワタシはありがたくガラガラのビジネスクラスカウンターでチェックイン。ついでに、FRAからの便も併せてチェックインしてもらいました。こうしておけば預託手荷物もVCEまで運んでもらえますからね。

 チェックインを済ませたら、その足で保安検査場(こちらは優先レーンはありませんでした。)を抜けてスターアライアンスラウンジへ。
 セントレアでは、JALは直営の「さくらラウンジ」があるのですが、なぜかANAは直営のラウンジがなくスターアライアンス共同運営のラウンジになっています。もっとも、提供されるカレーはNRTのANAラウンジと同じもののようですから、実質ANAラウンジなのですが。

 というわけで、さっそく朝カレーをいただきます。ついでにミネストローネもいただきました。ほかにも、パンやチキンソテーといったメニューもありましたよ。もちろんビールなどのアルコールもありましたが、それは機内でたっぷり飲めそうなのでここではソフトドリンクにしておきました。

 食後は、のんびりとカフェラテを片手に搭乗開始を待ちます。いやー国際線ラウンジって快適ですねー♪

LH737便 名古屋/中部(NGO)(10:00)→フランクフルト(FRA)(15:10)
使用機材 Airbus A340-600(D-AIHB)

 さてさて、そろそろ時間なので搭乗口へ向かいます。搭乗口ではANAの制服の係員と、それを指揮するルフトハンザ航空のパーサーさんがいらっしゃいました。ほぼ満席らしく、搭乗口前はそこそこの混雑。エコノミー一般客の列とCクラス&☆Gメンバーの列とに分けて整列後、事前改札(お年寄りや赤ちゃん連れなど。)に続いて搭乗開始です。

 使用機材はエアバスA340-600。もちろん初めて乗ります。
 ボーイングで言えばB777級の大型ワイドボディ機で、標準座席数は380席~440席。座席数もB777-200とほぼ互角です。ただ、惜しむらくはエンジンが4発なので燃費や整備費など経済性で劣ること。実際、その差のせいで受注数はB777の1/3だったそうです。まあドイツはエアバス社の牙城ですから(エアバス社はフランスとドイツの企業が母体。)、ボーイングの機材ばかりというわけにもいかないのでしょうね。

 さて、ゲートをくぐってボーディングブリッジへ向かうと、そこには運命の分かれ道(笑)が。
 今回は、ありがたく左に進ませていただきます♪


 さて、搭乗すると目の前のAコンパートメントにはファーストクラスの席が並んでいますが、この便はファーストクラスの設定は無いので空席です。実際には往路便のクルーが利用していたようですけどね。
 で、続くBコンが今回お世話になるビジネスクラス。窓際の席をアサインできました♪

 何しろ、初めてのビジネスクラス♪大興奮でさっそく探検(?)開始です!

 シートの前には大型のモニター。14インチくらいでしょうか。
 ひじ掛けのところに有線リモコンがあります。ちょっと見慣れないリモコンで、電源や音量以外はすべてリモコンにあるボタンをマウスのように操作して画面のカーソールを動かすというスタイル。慣れるまではちょっと戸惑いますね。
 モニタの横には、毛布とマットレス、スリッパ、枕が置いてありました。

 モニターの下には小物入れがあり、アメニティの入ったバッグとペットボトルが入ってます。

 アメニティの中身はこちら(お家で撮影)。
 歯ブラシセット、アイマスク、レッグウォーマー、イヤーパッド(ヘッドフォン用)、耳栓、ハンドクリーム&保湿クリームのセット(ロクシタンですね。)が入ってます。ポーチもメーカーは分かりませんがしっかりしてますね。

 ヘッドフォンはワタシも持っているBoseのノイズキャンセリング付きのもの。ただ、盗難防止のためかイヤホンジャックの取り外しはできないようになってました。

 ビジネスクラスシートの最大の醍醐味は、この足元の広さ。これを体感しちゃうと、もうエコには座れなくなっちゃいます~♪

 搭乗が終わるころ、ウェルカムドリンクが配られ始めました。水、オレンジジュースとスパークリングワインの3種から選べます。ありがたくスパークリングワインをいただいて、グラスの汚れチェック(笑)
 バカやってる間に、プッシュバックが始まりました。いよいよ、片道11時間以上のフライトが始まります!

 昨日同様に北風らしく、RWY36から離陸。そのまま北アルプスを超えて日本海へ。ウラジオストクあたりから広大なロシアを横断していくコースです。
 機窓からは、エンジンを2つ備えたウィングが。ジャンボジェットB747が日本のキャリアからはすべて退役してしまったので、エンジンが2つ並ぶ姿もなかなか見られなくなっちゃいました。

 離陸して30分ほど過ぎたときに、最初のドリンクサービスが始まりました。
 この便のビジネスクラスは44席あるようですが、ほぼ満席。世の中、お金持ち(&マイル持ち?)がけっこういるんですねー。
 ビジネスクラス担当のCAさんはおそらく6人ほど。うち日本人の方は一人(全部で3人いるらしいです。)いて、食事の注文などはその方が対応してくれていました。それ以外の方々も英語は通じるので、機内で困ることはなかったです。

 ドリンクサービスに続いて食事のメニューが配られました。ドイツ語(ドイツのキャリアなので当然。)、英語に加えてちゃんと日本語のページもありましたよ。和食もあるんですね~

 ワインリストは英語とドイツ語のみ。

 ドリンクメニューも日本語は無し。ドイツらしくビールも豊富です☆

 洋食のコースをチョイスしました。オードブルは3種類の中からマグロのマリネを選択。白ワインとの相性がバツグンです♪

 肉料理は牛肉の蒸し煮。ドイツらしい豪快な料理ですが・・・次は魚料理にしようっと。

 デザートはチーズ、ケーキと果物から選べます。お腹がいっぱいだったので果物をいただきました。

 コーヒーも美味しかったです。チョコ付きでした。

 食後は皆さんさっさと窓を閉めてお昼寝タイム(写真は復路便のものです。)。中にはビデオを見てる人もいたようですが、私もさっさとシートをフルフラットにして寝ちゃいました。

 ひと眠りしたところでおやつの時間もありました。ワタシはお腹が空いて無いのでパスしたのですが、ケーキやらフルーツやらが振る舞われてました。加えて、ギャレーにもドリンクとデザートが置いてあって自由に食べられるようでした。
 ホント、至れり尽くせりですね~

 着陸まで2時間を切ったあたりでパンの焼ける香ばしい香りがするなーと思ったら、二度目の食事タイム。こちらも和食と洋食から選べます。
 私は洋食で鶏肉のグリルを選択。今度はワンプレートでの提供でした。あ、もちろんワインも付けましたよん。

 のんびりと食事をしている間に、ヒコーキは順調に北欧から南下。ライン川が見えてきたと思ったらすぐにフランクフルト空港のRWY07Cに着陸。
 さて、快適な機内からドイツらしい武骨な感じのターミナルへ。ほとんど人がいない通路を進んで、まずは税関へ進みます。

 今回のようにシェンゲン協定加盟国を経由して別の加盟国に行くときは、最初に入国する国で入国審査と税関検査を受けます。ただし、預託手荷物に関しては受け取る最終目的地の国で税関検査を受けることになります。
 ところでドイツの税関検査はヒジョーに厳しいので悪名高く、ベルリンの日本大使館からも要注意情報が流れているほど。うっかりとスマホやタブレットを無申告で持ち込もうとすると、すぐに引っ掛かります。ワタシもそこをうっかりしていて、税関検査で延々と待たされちゃいました・・・幸い、お咎めなしで通過できましたけど、人によっては反則金込みで課税されちゃうケースもあるとか。ネットで英語の所持品リストの書式も出回ってますから、ちゃんとそれを持って申告した方が良さそうですね。
 一方のイミグレはほとんどスルー。目的と滞在日数を尋ねられただけでした。

 関門を突破したら、あとは2時間後の搭乗までのんびりとラウンジで過ごします。
 スターアライアンスゴールド資格を持つ私が利用できるのはビジネスラウンジとセネターラウンジの2種類なのですが、とりあえずビジネスラウンジに入りました。
 入り口でANA-SFCラウンジカードと航空券、パスポートを提示して中へ。まずはシャワールームへ行ってまずは汗を流します。もちろん、タオルやボディソープ、シャンプーなど(ちなみに、シャンプーやボディソープはロクシタンでした。)も備え付けられているので手ぶらでOKです。とっても清潔で快適でしたよ。長距離便の到着直後に快適なシャワーを無料で利用できるシアワセ。☆G修行しておいて良かったー
 さっぱりしてからラウンジ内をひとめぐり。
 これがねぇ、あまりにも混雑してたので写真は撮れなかったのですが・・・ちょっとがっかりでした。一応、パスタやサラダ、パンなどは置いてあるのですが、肝心のソーセージは無し。ソーセージが無いとビールを飲む気にもならないので、おとなしくオレンジジュースを片手にぼーっとしてました。

LH330便 フランクフルト(FRA)(17:15)→ベニス/マルコポーロ(VCE)(18:30)
使用機材 Airbus A320-200(D-AIUE)

 さて、そろそろ時間なので搭乗口へ。なかなかの混雑ですが、東洋人っぽいのはワタシだけ。アジアからイタリアへ向かうのにフランクフルトを経由するのって珍しいんですかね?

 ヴェネツィア行きは沖止めでした。バスに揺られて着いた先で待っていたのは、八丈島で見慣れたA320です。

 機内はこんな感じ。武骨というか、古めかしいというか・・・笑っちゃったのは、一応CとYの2クラスあるんだけど、この便のC席はシートが同一で片側3列の真ん中を使用しないだけというもの。それで+200ユーロというのはほとんどサギだと思います。

 さて、ドアクローズして、ベルトを締めて・・・というところで、妙なアナウンス。どうやら、滑走路でトラブルがあったらしく出発が40分ほど遅れるらしいです。
 こういうとき、日本と違って外国の航空会社は融通がききますね。皆さん、さっさとベルトを外してトイレに行ったり、CAさんもペットボトルのミネラルウォーターを配ってくれたりしてのんびり寛がせてくれます。
 やがて、出発のアナウンスが流れてプッシュバック開始。そのままRWY18からイタリアに向けて離陸しました。

 離陸してしばらくは、機窓に南ドイツの田園風景が広がります。のどかですね~

 1時間ちょっとの短距離便ですが、ちゃんとドリンクサービスもありました。こちらでは水とワインが同価値のようで、ちゃんとワインも選べましたよ。

 しばらくすると、ヨーロッパアルプスの険しい山並みが見えてきました。
 アルプス越えをして再び田園風景に戻ると、徐々に高度を下ろして無事にベニス/マルコポーロ空港のRWY04Rに着陸。


 マルコポーロ空港でもやっぱり沖止め。2台のランプバスに分乗してターミナルに向かうのですが、このランプバスがとってもしゃれたデザインでビックリでした。さすが、イタリア。

 シェンゲン協定加盟国間の便なので、ほぼ国内線みたいな雰囲気です。フツーにスーツケースを受け取って出口へ。一応、EU内の方とそれ以外の方とで出口が左右に分かれているのですが、Non-EUの出口を出ても何があるわけでもなくそのままお外へ。
 外に出ると、長~い通路(動く歩道もあったりして、東京駅の京葉線通路みたいな感じです。)をひたすら進んでこんなところに出ました。

 そこにあるのは港。空港直結の桟橋です。まずは桟橋にある窓口で予めインターネットで注文・印刷してきたバウチャーを見せるとこんなチケットをくれました。

 ご承知の方も多いと思いますが、ヴェネツィア本島は入り口にあるローマ広場までしか自動車の乗り入れができません。なので、空港からヴェネツィア本島へ行くには、本島の入り口にあるローマ広場までバスで行きそこから水上バス(Vaporetto)を利用するか、直接水上バスや水上タクシーで乗り付けるかのどちらかとなります。
 最も早いのは水上タクシーで、空港からサンマルコ広場までだいたい30分くらいで行ってくれます。その分料金もお高く180ユーロ(約2万円!)くらいします。バス&Vaporettoと直通のVaporettoの所要時間はほぼ同じ。バス利用の方が安い(Vaporettoのフリーチケットとセットだと往復12ユーロ。)ですが、ローマ広場からのVaporettoはかなり混雑が激しく荷物を置けるかどうか不安があります。なので、今回は往復ともVaporetto利用にしました。ちなみに空港から宿があるサン・ザッカリアまでは所要1時間半ほどでお値段は往復で25ユーロ(事前インターネット割引料金です。)でした。

 船内はこんな感じ。
 日本と違って乗船名簿みたいなのは一切なく、入り口で改札を受けてそのまま船内へ。自由席です。

 定刻に出発。空港にこんな客船の港があるなんて、世界でもここくらいじゃないかしら。

 左右を水上タクシーのモーターボートが追い抜く中、Vaporettoはのんびりと進みます。
 ヴェネツィアはアドリア海最奥の干潟を埋め立ててできた街。周辺は広い浅瀬で、浚渫された水路から外れるとすぐに座礁してしまいます。なので、大昔は水路を杭で示しつつ、戦争になったらいっせいに杭を引き抜いて敵船から防御したとか。
 今はそんな必要もないので杭は打ちっぱなしになっています。杭には街灯や標識なども取り付けられていて、もはや立派な「道」になってます。

 日が長いヨーロッパですが、さすがにS.Zaccariaに到着した夜9時過ぎには真っ暗でした。

 今回お世話になったのは、A Tribute of Musicというプチホテル(写真は翌朝撮影)。サンマルコ広場から徒歩5分程度という便利な場所にある割にお値段も1泊1万円程度(朝食付き)とヴェネツィアにしては格安でした。

 入り口が分かりにくいのですが、雑貨屋さんの右隣にあるこちらの入り口から入ります。奥にはオートロックの扉があるので、あらかじめポストにあるブザーを鳴らしておくと、係の人がオートロックを解除してくれます。
 ワタシはあらかじめ調べてから行ったのでわかりましたが、初めて利用する人はめっちゃ戸惑いそうですね。

 このホテル、ちょくちょく日本人も利用している(滞在中、1日だけ日本人の家族連れを見かけました。)ようですが、ホテルの方で日本語がわかる人はゼロでした。朝食会場の女性は英語すら怪しく・・・でもまあ、身振り手振りとカタコト英語でも何とかなるもんです。
 さて、フロントで渡されたのがこんな鍵。説明を聞いてもチンプンカンプンだったのですが、後で「実体験」で分かったところでは、上から順に部屋の鍵、エレベーターの鍵(客室がある1階(ヨーロッパでは地上階が0階となる。)に行くにはエレベーターボタン横の鍵を回す必要がある。)、そして金庫の鍵でした。

 案内された部屋は103号室。ドアの横にはモーツァルトの絵があります。なるほど。

 部屋の中はこんな感じ。写真には写っていませんが、小洒落た小机にテレビ、金庫、クローゼット代わりにカーテンで区切られたハンガーラックなどもあります。ただ、ティッシュペーパーが無いのが不思議でした。

 水回りはこんな感じ。手前に洗面所とトイレ、ビデがあります。清潔でしたし、お湯の出もよかったですよ。ただ、さすがにウォシュレットは無いけど。っていうか、ヨーロッパ滞在中はウォシュレットを見たことなかったですねー。お尻が虚弱体質なワタシは携帯ウォシュレットでしのいでました(笑)

 客室の窓はこんな感じでして・・・(写真は翌朝撮影。)

 窓の外にはスキアヴォーニ河岸、そしてサンマルコ運河、さらにその向こうにサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会が見渡せます。低層階なので、眺めがいいというよりも通行人の視線が気になっちゃいますね。

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