母と惑星

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 今日はちょびっと休暇をもらって、湘南新宿ラインで渋谷へ。パルコ劇場で現在上演中の舞台

「母と惑星について、および自転する女たちの記録」

を観てきました。

 あらすじはこんな感じ。

 突然の母の死からひと月。徹底的に放任され、父親を知らずに育った三姉妹は遺骨を持ったままあてのない旅に出る。
「私には重石が三つ必要なの。」毎日のように聞かされた母の口癖が頭をめぐる。次第に蘇るそれぞれが持つ母の記憶。あの母親は自分たちにとって何であったのか。自分たちはこれからどこに向かえばいいのか…

 キャストは長女役が田畑智子さん、次女役が鈴木杏さん、三女(おそらくは主人公)役が志田未来さん、そして母役が斉藤由貴さん。4人の女優さんたちが母と娘たちとの葛藤や想い、そしてそれらが及ぼす未来像を様々な角度から表現していくという現代劇。

 とっても面白かったですよ。テーマはけっこう重いんだけど、ところどころに散りばめられたユーモアやコミカルな演技がテーマの重さを感じさせず、劇場はしばしば爆笑に包まれていました。田畑智子さんと鈴木杏さんのコミカルな演技ぶりは秀逸でした。
 そして、何よりも「ダメ母」役の斉藤由貴さんは凄かった。まあ、大ベテランの女優さんだから当然だけど。前から2列目という近さでそれを観られた2時間はとってもゼイタクな時間だったな。

 三姉妹それぞれに母への思いを振り返り,語り合っていくんだけど、各自の結論などは終演まで示されないまま。そして、三姉妹それぞれが抱えている課題についても結論には辿り着かないまま。ハッピーエンドだったのか、バッドエンドだったのかもよく分からない結末。なんか消化不良な感じもあるけど、それがこの戯曲の味なのかなあ。
 母の生き様のきっかけとなった祖母の生き様、祖母の性格がそうなった「あるきっかけ」、そして三姉妹それぞれの課題。とにかく考えるべき素材はてんこもり。祖母の「あのきっかけ」は少々余計なんじゃないかなぁ~って感じもしたけど。
 そういった諸々の材料を提供して、三姉妹にあれこれ語らせて、そして斉藤由貴さんの鬼気迫る演技があって・・・それで、観客それぞれが自分なりの「想い」を持てればそれで十分なんだろうな。そんな感じの舞台でした。

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