JR乗りつぶし旅行~札沼線,石勝線,根室本線~(中編)

画像

さて,駅舎に入ると正面に掲げてあるのがこちらの時刻表…一日たった3本だけです。

画像

駅にはこんなノートも置いてありました。記載内容は一部JR北海道のHPにも転載されるみたいですよ。

画像

ここから乗るのはこちら。

札沼線 普通  新十津川(12:59)→石狩当別(14:20)
列車番号5428D キハ40形400番台気動車

画像

キハ40形400番台はJR北海道が札沼線のワンマン運転に対応させるために改造した車両。廃線寸前のこの路線のためだけの車両だけに,400番台は今回乗るキハ40-401と402の2両しかありません。
 じゃあ他のキハ40形とどこが違うのかと言えば,最大の特徴はエンジンを従来のDMF15HSAに代えて3倍近い出力を持つN-DMF13HZDを搭載したこと。これにより道内でも有数の積雪量となる走行区間でもちょっとやそっとじゃ止まらないようにしたんですね。
 でも所詮はキハ40形。車内はかなり年期を感じさせますが,でも現代ではこういう方が貴重な気もしますね。

画像

札沼線は元々「札」幌駅と留萌本線の石狩「沼」田駅を結んでいた路線。その後例によって利用者減少によるローカル線廃止の嵐に巻き込まれ,現在では新十津川駅と札幌駅を結んでいます。
 新十津川駅を出ると,しばらく車窓はこんな感じ。景色はいいけど,人家はなかなか見られません…

画像

カタコトとのんびり1時間以上走ってようやく遠くに町並みが見えてきました。

画像

到着したのは石狩当別駅です。この一つ手前の北海道医療大学駅から先は今年(2012年)電化され,ここから先はすべて「電車」に乗り換えとなっています。

画像

さて,ここから札幌へはこの電車に乗り換えます。

札沼線 普通  石狩当別(14:34)→札幌(15:14)
列車番号576M 731系電車(G103編成)

 この電車,Wikipediaには「オールロングシート、デッキを廃止した客室構造、キハ201系気動車との総括制御機能など、従来の北海道仕様の車両にない、数々の新機軸が盛り込まれた。」とあり鉄道友の会からローレル賞を受賞したそうですが,以前に乗った時のワタシの感想は「最悪」でした。で,今回改めて乗ってみてやはり「最悪」と思いましたね。利用者が急増している石狩当別以南の区間(実際,札幌駅到着前には吊革が半分くらい埋まるほど混んでました。)でロングシートにするのは仕方ないとしても,寒風吹きすさぶ冬の北海道でデッキ無しではホントに寒いです。一応エアカーテンで外気遮断をしているようですが,実際に乗ってみた感じでは効果なしでしたね。やっぱり,北海道では721系のようなデッキのある構造が望ましいと思います。

画像

ロングシートでは車窓の景色を楽しむべくもないので,さっさと居眠り。気が付くと札幌駅に着いてました。

画像

さて,この次に乗る列車が今回の旅の最大の楽しみなんですよ~

 長時間乗車に備えてお弁当などをコンコースでお買い求めしてから目的の列車の待つホームへ。

函館本線・千歳線・石勝線・根室本線 特急「スーパーおおぞら9号」
札幌
(15:50)→釧路(19:45)

列車番号4009D キハ283形系気動車

画像

はい,お目当ての列車は札幌と釧路の片道約350kmを約3時間40分で走り抜ける特急「スーパーおおぞら9号」です。

画像

北海道では都市間輸送が列車と航空機そして高速バスが三つどもえの激しい競争を繰り広げていますが,札幌と釧路の間ではこのJR特急が大きなシェアを握っています。その証拠がコレ。
 このスーパーおおぞら9号は本来普通車5両にグリーン車1両の6両編成なのですが,この日はさらに1両のグリーン車が増結されてました。ネットで調べたところでは「スーパーおおぞら」についてはほぼこの増結が常態化しているとか。片道3時間以上という長時間なら\5,000プラスしてでもグリーン車でゆったりしたい!ということなんでしょうね。JR北海道のグリーン車のサービスは「在来線では最高峰」と言われるほど豪華ですし。

画像

んでもって,ワタシも予約したグリーン車の中へ。

 グリーン車の車内はこんな感じ。なんでも,最近になってリニューアルしたばかりなんだそうです。

画像

グリーン車のシート。
 グリーン車増結があったほどなので満席かと思いきや,ワタシの隣の席は終点まで空席でした。ラッキ~

画像

シートの案内。まるで国際線ビジネスクラスシートのようです。実際,3時間以上の乗車でもまったく疲れを覚えないくらいゆったりふかふかでしたよ♪
 ただし,車両はいくら豪華でも山岳地帯を走るディーゼルカーだけに騒音と揺れについてはそれなりにありました。そういう意味では昼間乗った「スーパーカムイ」の方が快適です。ただ,この点は石勝線や根室本線を電化して使用レールを60kgレールにするなどの高規格化(まあ,不可能でしょうけど。)をしない限りどうしようもないことでしょうね。

 さて,定刻どおりに列車は札幌駅を発車。新札幌駅,南千歳駅と停車していよいよ山岳地帯の石勝線に入っていきます。

画像

常に他の交通機関との競争にさらされているJR北海道は車内サービスがとっても充実しています。車内販売でもビールやスナック菓子といった「定番商品」に加えてその列車が通過する土地の名物駅弁を積み込んだり,グリーンアテンダントおすすめの名菓などを扱ってくれています。
 「今月のアテンダントのおすすめ」は小樽の「LeTao」のドゥ・ミエル(マドレーヌ)。さっそくコーヒーのお供にお買い上げしちゃいました。

画像

封を開けると中はこのとおり。たっぷりの蜂蜜の甘さにカカオの香りがコーヒーにぴったり♪ゼイタクなコーヒータイムを楽しめました。(この手のスイーツを食べつけないワタシは,ポロポロと崩れるマドレーヌをこぼさずに食べるのに苦労しましたが…)

画像

食べ終えて窓の外を見ると,ちょうど新夕張駅に止まっていました。向こうのホームには夕張行きの普通列車が停車中。あっちもそのうち乗ってみたいですね…

 北国の北海道の冬は日が落ちるのが早いです。5時前にはすでに真っ暗。山の中を走る車窓はひたすら漆黒の闇が続きます。列車は30分おきくらいにトマム,新得と停車していよいよ根室本線に入りました。

画像

午後6時過ぎに帯広駅に到着。ここでかなりの乗客が降り,車内はだいぶ寂しくなってきました。
 さて,ここらで札幌駅で買ったお弁当をいただきましょう。サーモン,いくら,カニ,ウニ…と北海道の海の幸がゼイタクに盛られたこのお弁当。感想は…うーん,いろんなものが味わえるのはいいけど,どれも中途半端な気がしますね。今度は札幌名物の「石狩鮭めし」にしようっと。

画像

列車は白糠駅を発車し,次はいよいよ終点の釧路駅です。アテンダントが毛布の回収にやってきました。

画像

釧路駅に到着。長かった列車の旅も今日はここでおしまいです。
 駅ではホテルの無料サービスのタクシーの運転手さんが寒そうにしながら待っていてくれました。

画像

今晩のお宿はこちら。「ラ・ビスタ釧路川」です。(写真は翌朝撮影)

画像

全国にビジネスホテルを展開する「ドーミーイン」チェーンのリゾートホテルブランド「ラビスタ」を冠するこのホテル。でもここ釧路のラビスタは旗艦店の函館よりはだいぶグレードが落ち,ホームページ上でもラビスタではなくドーミーイン系列の方に掲載されています。部屋もドーミーイン同様のビジネスホテルスタイルでした。

画像

トイレ&バスはこんな感じ。バスタブはなくシャワールームのみですが,代わりに屋上に露天風呂付きの温泉大浴場があります。
 大浴場は洗い場が個々に仕切られていたり,湯上がり後の休憩室にはカツゲン(北海道版「ヤクルト」)のサーバーが置いてあって飲み放題だったりとサービス満点でした。さすが,ホテル競争が激しい釧路で最上級(プリンスホテルより上)扱いされてるだけのことはあります。

画像

釧路の夜景。スマホのカメラにしてはまあまあ良く撮れてるんじゃないかな?

画像

ドーミーイン系列名物の「夜泣きそば」サービス。夜9時半以降は宿泊者は無料でラーメンをいただけます。無料だけに具はシナチクとネギ,海苔のみですが,あっさり醤油味のスープがけっこう美味しかったです。

This entry was posted in 乗り鉄, 旅行<北海道>, 食べ物. Bookmark the permalink.

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)