一気に秋

今日はとんでもない豪雨と雷の北関東。
気温はお昼過ぎでも20℃を切っています。昨日まではずっと半袖Tシャツ&短パンで過ごしていたのですが,今日はさすがに肌寒いのでフリースジャケットを引っ張り出してきました。昨日は真夏日だったのに…うーん,気温の落差が大きすぎます!
そんな昨日の夜は,久しぶりに落語を聴いてきました。
足利市文化会館での三遊亭楽太郎改め三遊亭圓楽襲名披露興行。ホール落語は前回の記憶がないくらいに久しぶりです。
まずは前座,三遊亭楽大さんの「転失気」。
夕方から降り出した猛烈な雷雨をマクラに,うまく話をつなげていました。前座さんではあるけれど,かなりの実力を感じさせます。十分楽しめました。
んでもってお次は三遊亭兼好さんの「宮戸川」。
今回もそうでしたが,噺の前半部分のみ演られることが多くその場合は肝心の「宮戸川」(今の隅田川)が登場しないため「お花半七」とも呼ばれます。初めて聴いた噺ですが,ワタシの感想は…うーん,なんか中途半端だなぁ。盛り上がったところでプッツリとCMが入っちゃうような,そんな感じ。「天狗裁き」と同じような結末にムリヤリ持って行く強引さが嫌われたのか後半部分はまったく演じられなくなったらしいですが,前半部分のみだともっと中途半端な気がしますねぇ。だいいち,「宮戸川」というお題の由来が出てこないし。
そして前半のトリはおなじみの三遊亭小遊三さん「錦の袈裟」。
笑点メンバーのマクラはやっぱり笑点ネタが多いのですが,今回も期待どおりでした。そしてこのヒトお得意の下ネタから引っ張っていったのがこの噺。オヤジのセクハラモード全開!がやっぱりこのヒトには似合います。
お中入り,襲名口上に続いてはこれまた笑点でおなじみの林家たい平さんで演目は「紙屑屋」。
紙をより分ける途中では例によって都々逸や歌舞伎のパロディが入ったり,今夜の天候にちなんでハデに雷を落としたりと,その演技が非常に面白かったです。ネットでちょいと調べたらたい平さんの十八番みたいですね。
そしてトリはもちろん三遊亭圓楽さん。演目は師匠である5代目圓楽さんがよく演っていたという「浜野矩随」でした。
主人公の彫金工矩安の出世譚ですが,圓楽さんはマクラの中で「私なりの解釈でやってみたい。」と言っていました。それを感じられたのが結末の部分。矩安が名工として有名になった後で,若狭屋が矩安の初期の失敗作をさも価値があるように法外な値段で売りつけて大儲け…
単に主人公の出世にとどまらず,偶然の放言で大出世した矩安をうまーく利用して自分も大儲けしてしまうという噺にしています。この味付けが成功しているのかどうかはよくわかりませんが…
それはともかくとして,矩安が苦悩し,母親が矩安の苦悩を見抜いて…というやりとりは「さすが」の一言に尽きました。とつとつと矩安に語りかける場面は,自分の目がドライアイになるんじゃないかと思うほど引き込まれました。さすがは人情噺の名人といわれた5代目圓楽の後継者ですね。
大満足の襲名披露公演。
これを機に,久しぶりに,寄席に行ってみたくなってきました。

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