おくりびと

一昨日,テレビで映画「おくりびと」が放送されました。
ワタシは,翌朝に早朝から「乗り鉄」の予定があったのでパソコンで録画しておいたのですが,今日早速見てみました。何しろ,去年から今年にかけて受賞ラッシュで話題騒然となった作品ですので,映画にほとんど興味がないワタシもさすがに見ないわけにはいかないでしょう。
感想は…山崎努さんってすごいなぁ~!!というのがまず出てきた感想です。
いわゆる「ひねくれ親父」を演じさせたら,彼の右に出る役者はいませんね。ワタシが学生の頃大好きで見ていた連ドラ「世紀末の詩」での演技が大好きだったのですが,その持ち味を「おくりびと」でも遺憾なく発揮してます。
そして,その嫌みな親父ぶりに対抗(?)しているような余貴美子さんの演技。これまた一癖も二癖もある姐御ぶりで,見ていて感嘆してしまいました。
本木さんと山崎さん,広末さんと余さん,その2組のギャップが互いに相乗効果を生んでいて,見ていて飽きなかったですね。
ストーリーは,限りなく日本的なお話。
山崎豊子さんが「沈まぬ太陽」で航空機事故の遺体を「これは魂ではなくボディだ。」と言い切ってぞんざいに扱う,そのような形で描いたアメリカ人が,現在ではこの「おくりびと」を見て高く評価したというのが不思議に感じます。でも,一方でそれが金融バブル崩壊によるアメリカ的価値観の一時的な自信喪失によるものだとすると,素直に喜んで良いのかと考え込みたくなってしまいます。
そうではなくて,グローバリゼイションの反作用で欧米にもアジア的価値観が浸透してきたためであって欲しいですね。オバマ大統領の出現と「おくりびと」の受賞,その2つが最近のアメリカの変化の兆しであって欲しいと思います。

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