沖縄にて18(その3)

Point:ドリームホール、ホーシュー(万座ボート)、トレジャーパラダイス×2(今帰仁ボート)

2024年07月30日  気温32℃ 水温28~29℃ 透明度30m over(万座)、10~12m(今帰仁)

 2日目。今日はチョコっと遅めのスタートでまずは万座の瀬良垣漁港へ。
 今日もいい天気です。日差しが強烈で顔がヒリヒリします。

 まずは船下の根の縁にお住まいのカクレクマノミさん(Amphiprion ocellaris)にごあいさつ。

 マナベベラさん(Labropsis manabei)のBabyサイズ♪

 メガネゴンベさん(Paracirrhites arcatus)はいつも良いモデルになってくれます♪

 2本目はホーシューへ。今日は夜に備えてマクロレンズだし明日もホーシュー予定なので、サメ待ちはせずホーシュー岩の岩陰へ。
 潮通しの良い岩陰にはそーゆー環境を好むウィランイボウミウシさん(Phyllidia willani)が付いてました。

 ミゾレウミウシさん(Chromodoris willani)は夏の沖縄では安定の普通種。触角と二次鰓にちりばめられたラメ模様がとってもキレイ。
 そーいや↑のウィランイボウミウシさんもミゾレウミウシさんも種小名が”willani”。オーストラリアのウミウシ研究者であるウィラン博士への献名ですかね?

 ホーシュー岩の暗い岩陰にいらっしゃったホシゾラワラエビさん(Chirostylus stellaris)。沖縄では珍しくもない普通種ですが、マクロレンズのテストにはもってこいの被写体です♪
 まだマクロレンズの扱いに慣れないワタクシ。夜に向けてしっかり慣れないと。

 「麿」ことシテンヤッコさん(Apolemichthys trimaculatus)が近くを通りかかったのでパチリ。

 チコッと深場へ降りるとそこかしこにいらっしゃるセナキルリスズメダイさん(Chrysiptera starcki)。普通種でもマクロレンズでしっかり撮ると美しさが際立ちますねぇ~♪

 センテンイロウミウシさん(Hypselodoris decorata)も普通種ですが、バックがキレイだったので・・・

 準備運動(笑)のあとは、万座からさらに北へ移動します。

 向かった先は、名護の北側にある本部半島の北側にある今帰仁(なきじん)村。那覇からの距離は80km以上あり、バスの直行便はなくすべて名護での乗り継ぎとなるほどです。
 さすがにこれだけ遠いとなかなかダイビングでも来る機会はそうそうなく、ワタクシも今帰仁村へ足を踏み入れたのは古宇利島の北に沈んでいるエモンズへ潜りに行ったときくらい。ちなみに古宇利島も今帰仁村に属します。
 わざわざそんな遠くまで来ることにしたのは、ココでニシキテグリさんが生息するダイビングポイントが見つかったから。有名になったのは昨年あたりからなのですが、既に「知る人ぞ知るニシキテグリ観察ポイント」としてダイビング業界ではかなり有名になってます。
 見た目の美しさや愛らしさ、そして繁殖行動の面白さからダイバーに大人気のニシキテグリさん。彼らに逢うだけならば那覇空港近くのうみそら公園にもいるのですが、透明度が悪い上にそもそも枝サンゴの奥深くに潜んでいる彼らに出会うのは至難の業。ワタクシも彼らを撮ろうと試みて何度も失敗している因縁の相手でもあります。
 そんな中、今回のモグリを申し込んだ際にガイドの今川さんから「7月中ならニシキテグリの産卵ツアーもやってますけど、行きますか?」とお誘いを受けましてね。もちろんOKした次第です。

 今帰仁漁港に着いたのは午後3時過ぎ。夏の沖縄ではまだまだ日が高いですね。
 到着したらまずは1本チェックダイブに出かけます。
 どうやら今日のゲストはワタシだけみたい。一人のお客さんのために船を出してくれるなんて大感謝です♪

 ニシキテグリさんがお住まいなのは、ユビエダハマサンゴという枝サンゴのコロニーの中。そして産卵が行われるのは日没後。
 必然的に観察は真っ暗な中でのナイトダイビングとなるのですが、スキル不足の方だとボキボキサンゴを折ったり泥を巻き上げたりしてせっかくのポイントが台無しになっちゃいます。そんなわけで日中のチェックダイブが必須とされてます。

 ガイドの今川さんとワタシ、そして地元のガイドさんを乗せて船は出航。
 まずは本番の舞台へ。直径7mほどのユビエダハマサンゴのコロニーをぐるっと一周します。
 この辺に居そうだからとガイドさんに言われてしばらく見ていると、ニシキテグリさん(Synchiropus splendidus)がチラッと姿を見せてくれました。

 ある意味ニシキテグリ観察専用ポイントといった風情のこのポイントですが、その周りには沈船があったり、スギノキエダミドリイシの大群生があったりします。もうちょっと透明度が良ければ見事な光景なのだそうですが・・・
 でもかわいいサイズのテングカワハギさん(Oxymonacanthus longirostris)に出会えましたよ♪

 チェックダイブの後は港に戻って日没を待ちます。
 ワタシは本番に向けてカメラの準備。

 普段はマクロもワイドも撮れるようにと14-42mmのズームレンズを使用しているワタクシですが、今日は45mmのマクロレンズ。そして暗い中での撮影となるのでフォーカスライトも取り付けました。
 だいぶ前に日中と同じセッティングのカメラで撮ろうとして奄美大島で撃沈したことがありましてね。ニシキテグリが姿を見せるのは一瞬なので、それからズームレンズを動かしたり暗くて動作が鈍いオートフォーカスを合わせていては間に合いません。これに懲りてマクロレンズとフォーカスライトを新調したのですが、その直後にコロナ禍になりお蔵入り。
 今回、ようやく日の目を見ることができました♪

 日も傾いてきたのでそろそろ本番。再びユビエダハマサンゴのコロニーへと向かいます。
 今川さんにおススメしてもらった位置に陣取ったら、あとはじっとニシキテグリさんが出てくるのを待つだけ。
 いよいよ辺りが夜に包まれて宵闇に染まりかけたころ、目の前のサンゴの上にひょっこりとオスのニシキテグリさんが登場しました。

 事前に行われた今川さんによる詳細なレクチャーによれば、ニシキテグリさんたちは1匹のオスと複数のメスによるハーレムを作っており、産卵前にはオスがテリトリー内のメスたちに挨拶して回ります。なので、まずはそのオスを見つけてひたすらその動きを追いかけるのが大事とのこと。
 稀にテリトリー内にほかのオスが入り込むと互いにヒレを広げて喧嘩が始まるとのことでしたが、実際に目の前でそんな喧嘩も始まっちゃいましてね。メッチャ興奮しました~

 辺りが完全に漆黒の闇に包まれたころ、オスがメスを胸鰭に乗せてふわりとサンゴの上に浮かび始めました。いよいよ産卵のはじまりです♪

 日中はサンゴの奥深くに隠れていてなかなか全身を撮らせてくれないニシキテグリさんですが、この産卵行動はサンゴの上に浮かぶので絶好のシャッターチャンスとなります。だいたいサンゴの上10~15cmくらいまで浮かぶのですが、どこまで上がるかは運次第。そのギリギリの高さの見極めがけっこう難しいです。
 当然ながらニシキテグリさんは光を嫌うので、撮影中はギリギリまでフォーカスライトの光量を落とし、さらに魚の目には見えにくい赤色のフィルターを使用しています。

 ある程度の高さまでランデブー浮上するとサッと分かれて一瞬のうちに再びサンゴの中に戻るのですが、その一瞬の間に産卵と放精が行われます。
 そのあとでオスは別のメスのところへ行き、再びランデブーを繰り返します。この夜は4回くらい飛んでくれたかな。
 夢中で見てたので時間は気にしてなかったけど、だいたい20分くらいでニシキテグリさんは姿を消しました。

 船に戻って聞いたところでは、今川さんは別のところで狙ったものの空振りだったそうでして。相手は生き物だから確実に見られるわけはありませんしね。ホント、ラッキーでした☆
 お膳立てしてくれた今川さんには大感謝です♪

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