翌朝。前の職場近くにあった東横インの朝食はイマイチだったのですが、こちらのは思った以上に豪華でした。山菜の炊き込みご飯に鮭の南蛮漬け、そしてカボチャのサラダが美味しい! |
お部屋に戻ってコーヒー(←朝食会場からテイクアウトできます。)を飲んでたら、NHKのニュースの後で偶然木次線の特集番組「木次線 四季の物語」をやってました!前の週に放送された鳥取・松江局限定の番組「さんいんスペシャル」の再放送っぽいです。 |
さて、そろそろ駅へ行きましょう。 |
改札口はなんと自動改札!県庁所在地の鳥取駅ですら自動改札じゃなかったのに・・・なんてゼイタクな! |
駅の片隅には駅ピアノもありました。せっかくなので、サクッとHeaven’s Songを弾き逃げしちゃいました(笑) |
山陰本線 普通 出雲市(08:39)→宍道(08:58) |
ホームに停車中だったのはキハ126系の米子行き普通列車。キハ40系の置き換え用として開発された新型気動車です。 |
のんびり発車を待っていたら、381系ノーマル塗装の特急やくも10号岡山行きが入線してきました。この「やくも」のために、車両基地があるお隣の西出雲駅から伯備線との接続駅である伯耆大山駅までは電化区間となっています。 それはともかく、特急やくも10号を見送った後でのんびりと米子行き普通列車は発車。直江、荘原と停車して定刻どおりに木次線の起点である宍道駅に到着しました。 |
木次線 普通 宍道(09:09)→木次(09:43) |
いよいよ木次線の旅が始まります。 |
宍道駅での木次線の時刻表。ご覧のとおり、ほぼ2時間に1本って感じです。これじゃあ採算なんかとれないんでしょうねぇ・・・ |
お向かいのホームにやってきたのは、鳥取行きの特急スーパーまつかぜ6号。振り子機構と高出力エンジン2台積みでもって表定速度80km/h以上でかっ飛ばすというトンデモナイ列車です。今日もけっこう混んでいるみたいですねー。 さて、特急を見送った後でこちらも発車時刻。 |
木次は雲南市の中心地。駅から斐伊川を挟んで対岸には中国横断自動車道の木次ICもあります。出雲大東から病院通いのおじいちゃんも乗ってきてましたから大きな病院もあるのかしら。 |
駅の東側は操車場になっていて、そこにこれから乗る「奥出雲おろち号」がいらっしゃいました。じきに「おろち号」はゆるゆると下り方面に進み本線に合流して停止。乗ってきた普通列車がバックして2番線を空けると、そこへ入線してきました。 |
木次線 普通「奥出雲おろち号」 |
「おろち号」を牽引するDE10-1161号ディーゼル機関車。昭和46年製造の御年52歳。製造以来ずっと山陰暮らしのようですな。 |
さて、それではさっそく乗ってみましょう♪ |
こちらが先頭となる1号車。スハフ13-801という型番が付いていて、種車は昭和52年製造のスハフ13-148です。もっとも2号車と違いこちらは跡形もないほどの改造ぶり。窓を取っ払ってトロッコ化したほか、座席は不燃化木材のイスとテーブル。天井には神話の里をイメージした装飾とレトロなランプが設置されています。 |
先頭車なので車端には運転台を取り付けた上で、ヘッドライトとスカート(排障器)を設置しています。つまり、運転士はこの運転台から最後部に連結した機関車を運転するわけですね。 |
木次駅を出発すると、いきなり急勾配。窓がないので線路わきの木の枝が車内に容赦なく飛び込んできます。「本日は雨のため垂れ下がった木の枝が列車に当たることが多くなりますのでご注意ください。」ってアナウンスも流れてました。 |
下久野駅を出ると、全長2,241mにわたりひたすら直線が続く下久野トンネルに入ります。 |
トロッコ車の照明は弱いランプとこのイルミネーションだけなので、トンネルではかなり暗いです。確か12系客車って照明の電力はディーゼル発電機ではなく車軸発電機で賄っているはずだから、あまりゼイタクに明るくできないんじゃないかしら。一応、1号車には冷暖房のために発電機が積まれていますけどね。 |
トンネルを抜けると出雲八代駅に到着。この駅ではかわいい子供たちがお出迎えしてくれました♪ |
お出迎えの子から「はいっ」ってトロッコの窓越しに渡されたかわいいカード。子供たちのお手製ですね♪ |
出雲矢代駅から真南に進むと斐伊川上流の中心地である出雲三成駅。ここで上り列車と交換してから斐伊川の支流の亀嵩川沿いに東進すると、松本清張の名著「砂の器」で有名な亀嵩駅に到着します。 |
亀嵩駅は駅舎に蕎麦屋があって、予約しておくとホームまで出前をしてくれます。私も1つ注文してお買い上げしました。 この「奥出雲おろち号」では、この亀嵩駅以外でも八川駅でお蕎麦を販売している(こちらも原則予約制)ほか、出雲三成駅から亀嵩駅までの区間では「仁多牛べんとう」の車内販売があります。ほかにも木次駅ではプリンなどを売っていたし、アイスクリームやクリーム大福の車内販売があったかな。 |
亀嵩駅からまたトンネルで南進して出雲横田へ。出雲横田からは斐伊川の支流下横田川沿いに南へ進みます。この出雲横田駅から先は30‰の急勾配と急カーブが続きます。 |
出雲坂根駅に到着。駅舎は2010年に新しくなったらしく、キレイな洋式トイレもあります。 |
出雲坂根駅の名物のひとつがこの「延命水」。奥出雲観光協会のホームページによると「寿命100年をこえたと思われる古狸が好み飲用した」んだそうです。マジか? |
もうひとつの名物が、この焼き鳥。駅舎脇の出店で香ばしい煙を振りまきながら売っています。ちゃんと、その脇ではワンカップも売ってましたよ(笑) |
駅のホームから南の空を仰ぐと、遥か上空に木次線沿いに走る国道314号線の三井野大橋が見えます。これから十数分後には、あの橋を見下ろすことになるなんて信じられません。 |
さて、そろそろ出発です。今まで走ってきたのが左側の線路。今度は右側の線路に入ります。 |
左下には木次から走ってきた線路が。登り坂のキツさがわかりますねー。 |
やがて、再び右側に線路が見えてきました。 |
2段目と3段目の折り返し場所に到着。ポイントが雪で故障しないようにスノーシェードに覆われています。出雲坂根駅からこの分岐点までは約1km。そしてシェードに覆われたポイント部分から奥にもけっこうな長さの引込線があります。木次線が陰陽連絡路線として長編成の急行列車が多数運行されていた時代を彷彿とさせますね。 |
「おろち号」は30‰の急勾配をグングンと登っていきます。三井野大橋がいつの間にか同じ高さに見えてきました。 |
いくつもの小さなトンネルを抜けると、ついに三井野大橋を見下ろす高台に到着。圧巻です。 |
やがてJR西日本で最も標高が高いところにある三井野原駅に到着。 |
三井野原駅の先で分水嶺を超えて、西条川沿いに南下。終点の備後落合駅を目指します。 |
その隣には給炭台も。かつてのSL全盛期には大活躍していたんでしょうね。 |
終点の備後落合駅に到着です。 |
ワタシはお腹が空いたので人気のない待合室へ。ここで先ほど仕入れたお蕎麦をいただきます♪ |
こちらは八川駅で仕入れた八川そば。山あいのお蕎麦らしく、舞茸や山菜のトッピングがいい感じです。 |
こちらは亀嵩駅で仕入れたそば弁当。卵入りのとろろがいい感じでした。どっちも美味しかったですよ。 |
お蕎麦を食べ終えたところで、折り返しの木次行き「おろち号」が出発していきました。 |
さて、あと1時間半以上この駅からの列車はありません。のんびりと駅を散歩しましょうかね。 |
駅は2面3線。駅舎がある単式ホームと島式ホームがあり、島式ホームへは構内踏切で連絡しています。長いホームが、かつて3方向からの列車が終結するターミナル駅だったころを彷彿させます。 |
何か良い香りがするなと思ったら、藤の花が満開でした。関東じゃとっくに終わってますけど、こちらは標高が高い(462m)から若干遅めみたいですね。 |
駅舎に入ってビックリ。まるで資料館です。 |
この備後落合駅には「名物おじさん」と呼ばれる方がいらっしゃいます。それが元国鉄機関士の永橋則夫さん。御年80歳。 駅舎で次の列車を待つのは私のほか5名ほど。永橋さんは暖かいコーヒーを振る舞ってくれてから、小一時間ほど往年の思い出話をしてくれました。 |
駅舎の片隅には備後落合駅の案内パンフレットもあります。構内配線図や見どころなどが盛りだくさん。もちろん永橋さんも右下に。 |
おそらく元は燃料庫だったと思われるブロック積みの建物の中には備後落合駅のジオラマがあるというので、見せてもらいました。昭和40年前後の備後落合駅の姿だそうです。 |
SLや急行ちどりで使用されたキハ58系が並ぶ中、ふと車庫に目をやると、どう見ても昭和40年にはなかったと思われるおろち塗装のDE15-2558号が。永橋さんによると、ファンの方が寄贈してくれたんだそうで「ここに置かないわけにはいかないでしょう。」だって。 |
ふと外が賑やかになってきました。ホームに行くと、木次線の1449D列車が到着。折り返し14:43発の1462D普通列車となります。 |
芸備線 普通 備後落合(14:39)→三次(16:01) |
永橋さんに別れを告げて、再び列車の旅に戻ります。 |
備後落合駅から備後庄原駅にかけては、太田川の支流である西条川沿いを、その先七塚駅から三次駅までは国兼川沿いを走ります。この2つの川はいずれも三次で江の川に合流して日本海へ向かいます。ちなみに、三次からこの江の川沿いに江津まで走っていたのが5年前の2018年3月に廃線となった三江線でした。 |
2時間半ほどかかって三次駅に到着。乗り換え時間は4分しかないので跨線橋を渡って大急ぎで1番線に行くと、「危ないですから走らないでください。」とアナウンスされちゃいました(苦笑) |
芸備線 快速みよしライナー |
芸備線の三次~広島間は普通列車が毎時1本のほか1日数本の快速列車も設定されています。この快速「みよしライナー」は急行ちどりの名残なんだとか。 |
使用車両もキハ40系の近郊タイプであるキハ47形の2両編成。途中の下深川駅あたりまではガラガラだったけど、それ以降はかなり混雑してましたね。 |
三次駅から分水嶺となる向原駅までは江の川沿いを走ります。この間、快速列車は途中甲立駅しか止まらないという快走ぶり。 |
三篠川と太田川の合流地点である下深川駅からは、急に通勤路線っぽくなって乗客が増えてきます。快走していた快速列車も、この駅から終点の広島駅までは各駅停車になります。ここまでハッキリ需要が分断しているのなら、広島~下深川間は電化してもいいんじゃないかしら。 |
山陽・東海道新幹線 のぞみ50号 |
広島駅からの下り列車が若干遅れたようで、こちらの列車も交換待ちのため5分ほど遅れて広島駅に到着しました。この駅でも乗り換え時間は10分ほどしかないので、大急ぎで新幹線改札を通過して帰りのお弁当をお買い上げ。 |
座席に座ったら、さっそくお弁当をいただきます。お買い上げしたのはこちら。「ビックリたこめし」¥1,080ナリ。 |
中身はこんな感じ。柔らかい煮蛸に蛸の天ぷら、そして錦糸卵と広島菜のコラボがなかなか素敵でした。銀杏のアクセントもいい感じ。 |
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