翌朝。いよいよヴェネツィアでの4日間がスタートです。いつもの癖か時差ぼけか、6時前に目が覚めました。朝食は7時半からなので、さっとシャワーを浴びてからのんびりお散歩に出かけましょう。 |
先にも書いたとおり一切自動車が乗り入れられないヴェネツィア。荷物の運搬は網の目のように張り巡らされた水路を利用したボートに頼るしかありません。ちなみに、ボートから荷を下ろした後はリヤカーが唯一の交通手段。ごみの収集も同様です。 |
有名な「ため息橋」。日中は記念写真を撮る観光客でひっきりなしなのですが、今の時間はガラガラ。ゆっくりと街中を散策するのは朝に限りますね。 |
Ducale宮殿の先でSchiavoni河岸から右に曲がると、サンマルコ小広場。有名な鐘楼Campanileがそびえています。 |
朝日を浴びて輝くサンマルコ小広場の入り口にあるテオドロスとマルコの石柱。ちなみに、この2つの石柱の間で、大昔には絞首刑が執行されていたのだとか。 |
小広場の奥を左に進むと、そこにあるのがサンマルコ広場。その昔、ナポレオンが敷石の幾何学模様に感嘆して「世界一美しい広場」と称賛したという伝説があります。 |
サンマルコ広場の正面にあるのがサンマルコ寺院です。ヴェネツィアのシンボルともいえるこの寺院ですが、それゆえに観光客の行列がものすごくてですね、結局中には入れませんでした。後で調べたら、ネットで予約制になってるそうです。 |
さて、そろそろお腹も空いてきたので帰りましょうか。 |
Schiavoni河岸から眺めたDucale宮殿。こちらは予めチケットを買っておいたので、後で見に行きましょう。 |
朝食を済ませたら、いよいよお出かけ。今日はサンマルコ広場を巡ってみます。これだけでも半日以上潰れますので・・・ Ducale宮殿とお向かいにあるコッレール博物館は、あらかじめインターネットでチケットが購入できます。なので、入り口ではパソコンから印刷するかスマホ画面に表示したバウチャーのバーコードを示せばOK。チケットの購入窓口もすごい列ができるので、あらかじめ買っておく方が便利です。 |
Ducale宮殿は、中世に地中海で権勢を誇ったヴェネツィア共和国の総督の居城であるとともに、議会、裁判所、行政官庁でもあった場所。地中海交易で凄まじい富をなしたヴェネツィア共和国ですが、その富の凄さを実感できる場所でもあります。 |
アーチの回廊。ここから先は、荷物を預けろと言われるのでクロークにカバンを預けます。なお、フラッシュを炊かなければ写真撮影はOK(たいていの観光施設は同じでした。)なので、カメラ片手に先へと進みます。 |
入り口の階段を踊り場で折り返すと、そこにあるのが黄金階段。16世紀の傑作なんだとか。 |
ここから先は、ひたすら彫刻や宗教画のオンパレード。これが、フツーに、今で言う官庁や裁判所の天井や壁だったというのだから凄すぎます。 |
いきなり登場するのが、1575年ころのヴェロネーゼの作品「エウロペの略奪」。 |
4階の「4つの扉の間」にある「祈りを捧げるグリマーニ総督」。ティツィアーノの1555年の作品だそうで、といっても美術とは無縁のワタクシにはよくわかりませんが、とにかくそんな重文クラスの絵がシレっと飾ってあるのが凄すぎです。 |
謁見の間。 |
正面にあるのがヴェロネーゼ1581年の作品「レパントの海戦の勝利を感謝するヴェニエル総督」だそうです。 |
横の壁にも見事な絵画がぎっしり。 |
現代のワタシですら唖然とする光景ですから、信長の時代にここを訪れた天正遣欧使節の少年たちはどう思ったんでしょうね。 |
元老院の間。正面はティントレットの「天使に囲まれた死せるキリストを悼む二人のドージェ」という長いタイトルの絵画。 |
そして天井にはこれまたティントレットの「ヴェネツィア称揚」。 |
ヴェネツィア共和国の内閣にあたる十人委員会の間。 |
何やら、怖そうな格子扉とそっけない階段。 |
薄暗い部屋に出ました。 |
壁には何やら大きな絵が。 |
でっかい大広間「大評議の間」にきました。2000人を収容できるといわれるこの広間の正面にあるのが、世界最大の油絵と言われるティントレットの「天国」。4年をかけて描かれたそうです。 |
まあ、とにかくデカすぎてフレームに入り切りません・・・ |
壁の上部には歴代のドージェ(総督)の肖像画があるのですが、一か所だけ黒く塗りつぶされています。ここに描かれていたはずの方は、第55代の総督Marino Falieroさん。1354年(日本だと南北朝時代)にDogeに選出されたのですが、その時点ですでに69歳。少々ボケがはじまっていたのかクーデターを企てて翌1355年4月17日に処刑されちゃったそうです。そもそも、なんでそんなヒトを選んじゃったんですかね~? |
大評議の間とそれに続く投票の間の壁には、一面にヴェネツィアの戦功を称賛する絵画が並んでます。 |
レパントの海戦を描いたのでしょうか。ヴェネツィアの象徴ともいえるガレー船の様子が分かりますね。 |
こちらも同じようなテーマ。1000年を超えるヴェネツィアの歴史は海戦の歴史でもあるんですね。 |
さて、大評議の間の祭壇の陰に、こんな怪しげな出入り口がありました。 |
キンキラキンの世界から、一転して地味ぃな通路が続きます。 |
こんな薄汚い階段を進んでいくと・・・ |
こんな通路に出ました。左右には格子のつけられた窓がありまして・・・ |
そこからはこんな光景が見えます。そう、ここは朝に眺めた「ため息橋」の中だったんですね。 |
新牢舎に入ると、恐ろし気な雰囲気が。 |
雑居房かしら。 |
囚人が描いたのかしらねぇ? |
新牢舎にも中庭があり、中央には井戸が。 |
さてさて、再び宮殿に戻ります。何やら厳粛な雰囲気の漂うエリアです。 |
どこもかしこも宗教画ですねー。 |
というわけで出口へ。いやー、キンキラキンと宗教画の毒気でぼーっとしちゃってます。 ちょっと気分転換でもしましょうか、ということでやってきたのは、Docale宮殿のはす向かいにある鐘楼「カンパニーレ」。まだ午前中だからなのか、入場の列ができてなかったのでスイスイと上に上がれました。ちなみに料金は8.5ユーロです。 |
高さ約98.6mのCampanile。上に来ると、ヴェネツィアを一望できます。西側を望むと、サンマルコ広場にサンタ・マリア・デッラ・サルーテ教会が良く見えますね。 |
こちらは北側の眺め。手前の屋根はサンマルコ教会。奥に見える島はヴェネツィアン・グラスで有名なムラーノ島です。 |
突然、大音響が鳴り響きはじめました。この鐘楼、鐘も生きていてちゃんと鳴るんです。さすがに昔と違って今は機械仕掛けですが、その音量はかなりのものです。 さて、景色を堪能した後は、サンマルコ広場を囲む建物内にあるCorrer博物館を見学しましょう。 |
入り口はサンマルコ寺院のお向かい、サンマルコ広場をU字型に囲む建物の底辺部分にあります。Ducale宮殿のチケットと共通(というか抱き合わせ)なので、ワタシは事前にネットで買って印刷したバウチャーのバーコードを示して入場。 |
さすがヴェネツィア。ヴェネツィアングラスのシャンデリアが見事です。 |
図書室もありました。 |
1500年代の地図帳でしょうか。 |
これはどこの島でしょう? |
共和国時代のサンマルコ広場でしょうか?今と建物が違いますね。 |
初期のガレー船ですね。 |
海戦の様子を描いた絵画。さすが、海洋国家だけのことはあります。 |
往年のヴェネツィアの絵地図ですね。 博物館を出たところでちょうどお昼時。ホテル近くまで戻って、美味しそうなお店を探します。 |
入ったのは「Bar Nuovo Arcobaleno Snc Di Xu Giulio」という長~い名前のお店。とにかくノドが乾いてたので、まずはビールを1杯いただいて一息つきます。 |
続けて、おとなしくスパゲティ・ポモドーロを注文。美味しかったですよ。ビールとパスタでお会計は17ユーロちょうど。お高いようにも思いますが、これでもヴェネツィアでは安い方です。 午後はのんびりとヴェネツィア市街をお散歩したのですが、それは後程まとめてご紹介。 |
あちこち歩きまわって疲れたので、夕食はホテルの裏手に見つけた「Osteria ai Schiavoni」でテイクアウトのイカ墨パスタ(7ユーロ。ちなみに店内で食べると9ユーロになります。)をお買い上げ。ビールは午後にお買い物をしたスーパーマーケット「Coop」Castello店でミネラルウォーターと一緒に買いました。 |
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