安芸にて(後編)

呉線 普通 竹原(09:39)→忠海(09:51)
列車番号130M 105系電車

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 翌朝。ちょっと早めにホテルをチェックアウトしてワタシは再び呉線へ。向かった先は竹原から10分ほどのところにある忠海駅。イラスト付き駅名票はウサギさんです。

 平安時代に平忠盛(清盛の親父ね。)がこの地の海賊を一掃すると、忠盛は自分の名前からこの地を「忠海」と名付けました。ちなみに、この沖合にある大三島(しまなみ海道の途中でもあります。)にはこれまた忠盛が自分の名前から名付けた「盛港」というのがあって、この忠海と盛は現在フェリー航路で結ばれています。

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 さて、そんな由緒正しき忠海ですが、現在は火力発電所やアヲハタのジャム工場がある静かな町。
 そんな町をてくてくと港へ向かって歩いていくと・・・

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 ちょっと小洒落た建物が賑わっています。
 沖合にある国民休暇村「大久野島」へ向かう乗船券の販売所です。親子連れで賑わう中に混じってワタシも往復券を買って・・・

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 すぐさまこちらの船へ。ちょうど乗船開始だったのでさっさと乗っちゃいます。案の定、大勢の親子連れがその後乗ってきて、積み残しも出てました。危ない危ない。

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 船内の座席ポケットにこんな地図が。

 大久野島は周囲3kmほどの小さな島ですが、戦前はここに陸軍の兵器製造所が設けられ昭和初期からは毒ガスの研究・製造が行われていたことから、この島自体が軍事機密として「地図から消された島」となっていました。戦後はGHQにより製造所は解体され製造・貯蔵されていた毒ガスも廃棄処分されたのですが、当然ながら製造中に土壌汚染が生じていたほか、兵器製造所の職員たちにも毒ガスによる中毒や後遺症に悩む人たちが続出したそうです。
 汚染対策などが行われた後、昭和38年には国民休暇村がオープン。その数年後に誰かが島内に放したウサギが天敵となる犬もネコもいなかったため大繁殖して一躍有名に。かつて地図から消された毒ガス島は、親子連れで賑わう「ウサギの楽園」となり現在に至ります。

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 忠海港からわずか12分で大久野島に到着。
 やっぱり親子連れが多かったですが、外国人らしき姿もちらほら。海外でも有名なのかしら。

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 上陸すると、いきなりウサギさんがお出迎え。そこらじゅうにいます。
 自宅から野菜を持ってきたり忠海のチケット売り場でエサを買った観光客は大喜びでウサギさんを追い回してました。

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 ウサギの歓迎会(?)の後で、観光客は思い思いに散っていきました。多くは港から休暇村へと向かうバス(歩いても10分ほどですが。)に乗ったようですが、一部のグループはワタシ同様、山の方へと歩いていきました。

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 島中、いたるところでウサギさんを見かけます。ここのウサギさんは警戒心ゼロ。ニンゲンを見かけると「エサくれーーー」と駆け寄ってきます。で、エサを持ってないと分かると急に興味を無くしてどこかへ消えていきました。いいのか?こんなんで。

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 大久野島の最高地点にある展望台。ここもウサギさんに占拠されてます。

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 昨日行った大崎下島の「歴史が見える丘」同様に晴れていれば絶景なのでしょうが・・・
 展望台からほぼ西の風景。すぐ正面にある島が小久野島,その奥が生野島,左奥が大崎上島だと思います。

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 北西を見ると、大乗の火力発電所が見えます。母によれば、大乗のあたりは昔は綺麗な砂浜があって海水浴を楽しめたんだとか。

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 実はこの大久野島にはもうひとつ名物が。それがこの高圧送電線。実は、この島の鉄塔から忠海にある隣の鉄塔までの距離は日本最長(約2.4km)なんだとか。

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 南側の眺め。手前にあるのが休暇村。海を挟んで奥にあるのが先ほど話に出ていた「盛港」がある大三島になります。

 展望台から休暇村に行ってみると、そこは家族連れで賑わうエリア。野郎の一人旅は明らかに異端だったのでそそくさとエスケープ。ちょうど来た船に乗っかってさっさと忠海に戻りました。
 ところが、忠海から呉へ戻る電車はちょうど行ったばかり。次の列車まで80分後・・・
 泣きそうになっていたところにちょうどタクシーが通りかかった(←東京と違って、駅待ちタクシーはもちろん流しのタクシーも滅多にない土地柄。本当にラッキーでした!)ので、大喜びで呼び止めて竹原まで戻りました♪

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 タクシーを降りたのは「道の駅たけはら」。入り口には、もはや見慣れた感のある「たまゆら看板」が・・・

 この道の駅はなかなか立派なものでして、1階には地元の食材を使ったレストランに地元産品の直売所、2階には土産物屋が入ってます。さらには駐車場にもタケノコを使った「たけはらバーガー」などを売る露店がありました。タケノコ好きのワタシは「たけはらバーガー」が気になったのですが、もうちょっと歩いてみることにします。

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 道の駅から北へ歩いて3分ほどで町並み保存地区。今日はこのワンちゃんに案内をお願いしましょうか。(かわいくて大人しいこのわんこ、観光客にモテモテでした♪)

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 町並み保存地区の南端にあるのがこの旧笠井邸。建てられたのは明治5年とのことです。気が遠くなる古さですね~

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 中に入ると、そこかしこに雛人形が。実は、2月から3月にかけての今の時期は「まちなみ雛めぐり」と称して町並み保存地区のあちこちの建物で雛人形が飾られるほか、女性向けの着物レンタルなど様々なイベントが行われているそうです。この笠井邸の舞台でも三味線や琴によるライブ演奏が行われるそうですが、残念ながら微妙にタイミングが合わず・・・残念。

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 それにしても、ものすごい数の雛人形・・・いったい、どれだけ金をかけて集めたんでしょうね?

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 隣の部屋にも、1階(舞台があるココは2階です。)にも、ひたすら雛人形尽くしです。昼間の今ならともかく、夜にこれだけの古い人形たちに囲まれたらちょっとコワイかも~

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 さて、笠井邸を出てのんびり町並みをお散歩しましょう。日曜日のお昼時だけに町並み保存地区は大賑わい。昨日はあまり見かけなかった年配の観光客も多いですが、ときどき着物姿の若い女性グループも見かけました。

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 おそば屋さんの店先にもひな祭りらしい飾り付けが。嬉しくなりますねー。

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 ちょっと気になる喫茶店があったのでのれんをくぐると・・・

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 中庭にこんな竹飾りが。秋に行われる「たけはら憧憬の路」で使われたものですかね。
 この喫茶店は限定ランチが名物らしいのですが、残念ながら今日は売り切れでした~

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 ということで、「ゆかり」のお向かいにあるお店「のんびり亭」(こちらもかなり年季の入った建物でした。)で、昨日食べ損ねた穴子重をいただきました。ほくほくで香ばしい香りの穴子がめっちゃ美味しかったー!
 ちなみに、こちらのお店も座敷には雛人形が飾ってありましたよ。

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 お次は、昨日夕食をとった「ほり川」さんのほぼお向かいにある旧佐倉邸。こちらに入ってみると・・・

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 中には雛人形と竹灯りのコラボレーション☆
 いかにも竹原らしいコラボですねー。でもでも、やっぱし竹灯りは憧憬の路で見たいなー。

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 裏通りにある薬局。ここもなかなか立派な建物ですね。そして「おっ。ここにも雛人形があるー」とじろじろ見てたら、女将さんが出てきて

「お兄さん、どうぞ中に入りんさい。」

と招き入れてくれました。

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 中にあった雛人形がこちら(ちょっとピンぼけ気味ですが・・・)。雛人形もすごく立派ですが、「リポビタンD」とのコラボってのが何とも薬局らしくて面白いですね。
 この薬局、つい最近「リフォーム」したものの、創業は前の写真の看板にあるとおり文久元年というから和宮降嫁の前年。いやー、すごいですね~
 本当に良いものを見せていただきました!

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 そろそろ帰らなきゃなので、竹原駅へと戻りましょう。
 その途中、道の駅の斜向かいにあるお店に人だかりができていたのでちょいと寄り道。

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 そこで売っていたのがコレ。大人気のお店らしく、10個以上まとめ買いしていくお客さんもいてけっこう待たされました。
 ちなみに全国的には今川焼きとか大判焼きと呼ばれるものですが、広島県では「二重焼き」と呼ばれているみたいです。とにかく美味しかったー!

 二重焼きをかじりながら竹原駅へ戻り、そこから乗り合いタクシーで広島空港へ。

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 空港までは30分足らず。本当に近いです。
 思いのほか早く空港に着いたので、カードラウンジでしばしくつろいでから搭乗口へ。今回乗るヒコーキはこちら。

JAL260便 広島(HIJ)(15:25)→東京/羽田(HND)(16:45)
使用機材 ボーイング737-800(JA330J)

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 お帰り便は久々のJAL便。ダイビング旅行と違って優待が必要なほど手荷物は無いし、年に1回でも乗ればJALカードボーナスの2000マイルをgetできますからね。片道で乗る機会は滅多にないので、しっかり稼がせてもらいましょう。

 機材はJA330J。かつては「JALハピネスエクスプレス5号機」としてディズニーのイラストが描かれていた機体ですね。最後までアニメづいているなぁ~

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