鯵ヶ沢にて(前編)

 今朝の北関東は晴れ。朝の気温は-1℃弱まで冷え込みました。今シーズン初の冬日です。

 すっきり晴れて、いつもの新幹線もクッキリ見えます。
 そんな冬日の今日ですが、日中はここ最近とほぼ同じくらいまで上がるとか。でも、今日は北にお出かけなので暖かさは味わえません(笑)
 最寄り駅から電車に揺られて向かった先は大宮駅。早朝から開いている「駅弁屋 旨囲門」で朝食の駅弁を仕入れてから新幹線ホームへと向かいます。

東北新幹線・田沢湖線・奥羽本線(秋田新幹線) こまち5号
  大宮
(07:57)→秋田(11:27)

列車番号3005M E6系電車(Z22編成)

 やってきたのは新青森行きはやぶさ5号と併結された秋田新幹線こまち5号。
 秋田新幹線専用のE6系には東北新幹線の「やまびこ」「なすの」に充当されたときに数回乗ったことがあるけど、本来の「こまち」として乗るのは初めてです。

 しかも、今回乗るのはグリーン車♪
 もちろん正規料金なんかで乗れるわけはなく、JRE-BANK特典の4割引クーポンのおかげです☆
 ゆったりしたシートに田沢湖の水をイメージしたという青色のカーペットが素敵です。
 マトモだとけっこうなお値段のグリーン車ですが、大宮駅から乗った時点で8割くらいの乗車率でした。けっこう人気なんですねぇ。
 そんな混雑の中写真を撮るわけにはいかないので、この写真は終点の秋田駅で皆さんがお降りになった後で撮ってます。

 秋田新幹線のE6系は在来線規格のいわゆるミニ新幹線。なので東北新幹線専用のE5系と異なり普通車の座席も両側2列ずつとなってます。そして、なぜかグリーン車も同じ2-2アブレスト。一昔前は在来線特急のグリーン車は1-2アブレストだったのですが、房総特急用の255系からグリーン車も2-2アブレストが普通になったんだとか。
 ただ、いわゆるバリアフリー対応の車椅子スペース確保が理由なんでしょうけど、車端部のみ1-1アブレストになってましてね。予約の際に空いてたので今回はありがたく予約させてもらいました♪

 ゆったりシートに腰を落ち着けたら、まずは朝ごはんをいただきます。
 今日の朝ごはんは深川めし。東京駅の駅弁です。

 フタを開けると、ご飯が見えないほどに埋め尽くされたアサリがいい感じ。一緒に炊き込まれたごぼうもいい仕事をしていますね。
 ごちそうさまでした♪

 お腹がいっぱいになって、車内販売で復活したコーヒーをいただきながらマッタリと贅沢な時間を過ごしていたら、いつの間にやら盛岡駅を過ぎてました。
 こまち号は東北新幹線と分かれて在来線の田沢湖線に乗り入れます。

 岩手山を北に眺めながら、列車は西へ。
 昨夜から冬型が強まっているせいか、この辺りでは雪が積もってますね。さすが北国。

 岩手県と秋田県の県境となる奥羽山脈の仙岩峠に差し掛かると、一面の銀世界。さすが豪雪地帯です。
 全長3915mの仙岩トンネルを抜けたところにある志度内信号場で上りの「こまち」と列車交換のためしばし停車。標準軌に改軌して「新幹線」を名乗ってはいますが、本来は単線の地方交通線ですからねぇ。

 田沢湖駅を過ぎて横手盆地に差し掛かると、右手から奥羽本線の線路が見えてきました。

 花火大会で有名な大曲駅に到着。田沢湖線の終着駅でもあります。
 ここでこまち号はスイッチバックをして、先ほど見た奥羽本線に入ります。

 終着の秋田駅に到着。
 外はどんよりとした雪雲。気温は7℃弱。日差しがなくメッチャ肌寒さを感じます。

 お昼時なので新幹線ホームにあるNEWDAYSミニでお昼ごはんをお買い上げ。大館駅名物の鶏めしも1個だけ置いてありましたけど、このあとちょいと「おやつ」の予定があるし、そこまでお腹が空いてないので「ぼだっこ(=鮭)」と「いぶりがっこ炒飯」のおにぎりをお買い上げ。こういうご当地おにぎりを売っているのは嬉しいですね。ちなみにぼだっこのおにぎりは普通のシャケむすびと変わらなかったですけど、いぶりがっこ炒飯は燻製の薫りが効いててメッチャ美味しかったです♪

奥羽本線  普通  秋田(11:40)→弘前(14:21)
列車番号1657M 701系0番台電車(N26編成)

 在来線のホームへ移動すると、待っていたのは悪名高き701系普通列車。2両編成で両方ともロングシート・・・コレで2時間41分の長旅ってのはホントうんざりします。仙台地区ではとっくにセミクロスシートの721系に置き換えられていますが、秋田地区ではバリバリの現役。ほんの一部、3編成だけセミクロスシートへ改造されたものもあるようですが、今回はハズレでした。
 ガラガラかと思いきや、8割方席が埋まってました。結局、終点までそこそこシートは埋まってまして・・・鶏めしを買わなくて正解でしたね(笑)

 秋田駅から東能代駅までは以前リゾートしらかみに乗ったときに飲みテツを楽しみながら通過した区間。リゾートしらかみだと追分駅と八郎潟駅しか止まらずほぼ特急状態なのですが、鈍行だと思いのほか時間がかかりますねぇ。こんなに離れてるんだーって驚いたくらい。

 秋田駅から1時間ちょっとで五能線と接続する東能代駅に到着。
 この駅では数分しか停車しないはずが、強風で遅れまくっているという五能線からの列車と接続待ちをするために20分ほど停まりました。強い冬型の気圧配置がこんなところで影響するとは。

 この東能代駅から大館駅までは初めて乗る区間。列車は東に向きを変えて米代川沿いを上流へと向かっていきます。なかなか山深い区間でして、途中からは吹雪いてきてましたね。

 東能代駅から50分ほどで、花輪線と接続する大館駅に到着。10分くらい遅れてたんですけど、接続予定の花輪線普通列車が待っていてくれてました。ワタシは乗らないけど。
 この駅まで車掌が乗務してましたけど、ここから終点の弘前駅まではワンマン運転となります。この違いはなんだろ?

 大館駅のお隣にある白沢駅を過ぎると急に山深くなります。このあたりは以前も乗っているのですが、昭和46年に開通した新線(下り線)を通るのは初めて。グンっと西に向きを変えて下内川を渡り、全長2,404mの松原トンネルを抜けて陣場駅で上り線と再び合流します。

 矢立峠を抜けると少し雪は小降りになった気がします。
 大館駅から30分ほどで大鰐温泉駅に到着。
 車窓の向こう側には地元の弘南鉄道の駅が見えます。そういえば、つい最近この弘南鉄道大鰐線の廃止が決まっちゃったとか。車内でも「もうすぐ無くなるんだよね。」みたいな話し声がしてましたね。

奥羽本線・五能線  快速 リゾートしらかみ4号
  弘前
(14:30)→鯵ヶ沢(15:35)

列車番号8524D HB-E300系気動車(青池編成)

 弘前駅での乗り継ぎ時間が10分くらいしかなかったので東能代駅で20分以上の遅延が発生したときは心配したのですが、弘前駅には5分程度の遅れで到着しました。
 この駅からお宿がある鯵ヶ沢駅までは以前も乗った快速「リゾートしらかみ」を利用します。
 この列車、五能線回りの秋田行きのはずなのですが・・・なぜか、電光掲示板の行き先案内は「鯵ヶ沢」。
 なんでも、津軽西海岸の強風のせいでついに鯵ヶ沢駅から深浦駅までの海沿いを走る区間が運休になっちゃったんだとか。ワタシが降りる予定の駅までは行ってくれるというので一安心・・・っていうか、すごい幸運♪

 弘前駅から五能線の起点である川部駅まではあっという間。すぐに五能線の線路が見えてきました。

 川部駅に到着。この駅ではスイッチバックのため6分ほど停車します。
 車内では、この列車が鯵ヶ沢駅止まりとなるってしきりにお詫びアナウンスが流れてました。悪天候が原因だからJRさんはぜんぜん悪くないんだけど。

 今回乗ったのは、前回と同じHB-E300系の青池編成。どうせならブナ編成とかくまげら編成に乗りたかったなぁ~

 閑散期で天気もイマイチだったせいか、車内はガラガラでした。

 川部駅から30分ほどで五所川原駅に到着。
 この駅ではあらかじめネット注文「うけとりっぷ」を利用して「おやつ」を注文してありました。
 停車時間は僅かなので、大急ぎでホームに降りてスマホのチケットを見せて受け取ります。

 お買い上げしたのは、若生こんぶのおにぎり。
 読んで字のごとく、春先に獲れた生えたての薄くて柔らかい昆布を海苔代わりに巻いたおにぎりです。地元の作家太宰治が好物だったという話もあるとか。
 確かに、昆布の旨味を味わい尽くすにはピッタリの逸品です。普通のおにぎりよりかなりご飯が多い(ちなみに種なしの塩むすび。)ので、もうちょっと塩気があってもよかったかな。

 おにぎりを食べ終わったころ、列車は津軽平野を抜けて海沿いに出てきました。
 強風のせいで海面は真っ白。おまけに、時折猛烈なあられが降っていました。

 終点の鯵ヶ沢駅に到着。ホームは先ほど降った猛烈なあられで白くなってます。

 駅前には列車代行の大型バスが停まっていて、数人の客が乗り込んでいきました。
 ワタシは駅舎でストーブにあたりながら宿の送迎バスを待ちます。

(上の写真は翌朝撮影)
 お宿は送迎バスで駅から5分ほど。歩いても10分程度らしいのですが、今日のこの悪天候をみると送迎バスを予約しておいて正解でした。
 けっこう大きなホテルですが、閑散期の今はけっこう空いているみたい。大浴場はいつ行ってもガラガラでした。
 今時のホテルらしく徹底的に合理化しているようで、チェックインもチェックアウトも機械式。館内着や歯ブラシなどのアメニティもフロント前からセルフサービスで持っていく方式。貸切風呂の予約もフロント前の機械で予約するようになってました。
 ワタシは苦にしないけど、お年寄りは大変そう。その分、ラウンジは無料サービスがとっても充実しているわけですが。

 お部屋はこんな感じ。ビジネスホテルのシングルルームとほぼ同じくらいの広さです。これにユニットバスとやや大きめのクローゼットが付いてました。

 水回りもビジネスホテルのユニットバスみたいな感じ。温泉大浴場があってバスは使わないから、これで十分。っていうか、いっそのことシャワーブースだけにすればいいのに。

 デスクが広めなのが何かと便利。狭い中、ゆったりとしたチェアが置いてあるのもありがたいです。

 まずは荷物を解いてから館内着(作務衣)に着替えて大浴場へ。大浴場の混雑状況はエレベーター脇の液晶画面に表示されてます。
 ここの温泉は化石海水と言われるもの。数十万年前の海水が温められて湧き出しているんだとか。
 体感的には以前何度か行ったバーデハウス久米島(←今は潰れちゃってるらしい。)にあった海洋深層水のプールと同じような感じでした。海水よりもさらっとしてて、塩気もまろやかな感じです。
 保温と保湿に優れるといううたい文句どおり、湯上り後もしばらく寒さを感じなかったですね。ワタシにはピッタリのお湯でした♪

 お風呂の後はお楽しみの夕食。ブッフェ方式とコース料理とを選べるのですが、いちいち料理を取りに行くのが面倒なのでコース料理をチョイスしてありました。
 このお宿の特徴の一つが「オールインクルーシブ」。普通のお宿だと別料金のアルコール類もことごとく無料。そしてドリンクメニューは無料だからと手を抜いているわけじゃなく、地酒「白神のしずく」の純米吟醸に「安東水軍」の純米吟醸と大吟醸まで取り揃えている素晴らしさ。もちろん、飲み放題です♪

 さっそく前菜の品々をアテに地酒を堪能しちゃいました。

 コースの目玉のひとつが、こちら鮑の陶板焼き♪

 そしてもうひとつの目玉が黒毛和牛の鉄板焼き!
 どちらも絶品でございます。

 もちろんお造りも。白神山地の水を利用して鯵ヶ沢で養殖しているイトウのお造りも付いてます♪

 シメのお食事はなんとお寿司。

 デザートは洋ナシのワイン煮やアップルパイなど。
 もうお腹いっぱいです♪

 今晩は月イチのお楽しみ、原田ありささんのライブ配信の日。どうやら引っ越しの疲れがたたったようで鼻声ながらも、相変わらずの見事な演奏を堪能させていただきました。

カテゴリー: 乗り鉄, 旅行<東北・関東甲信越・東京離島>, 食べ物 パーマリンク

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