JR乗りつぶし旅行~常磐線・北上線・奥羽本線~(前編)

 先日降ってきたJRE Bank特典を利用して、今回は東北乗り潰し旅行を計画しました。

 出発は上野駅から。
 朝食を食べてなかったので駅弁でも買おうかと思ったのですが、肌寒さを感じたので暖かい駅そばに惹かれちゃいました。
 昔はどこの駅にもあった駅そばですが、今や絶滅危惧種。なのですが、上野駅では各ホームの階段下で今も健在です。
 その中のひとつに入ったら、朝得そばというたぬきときつねのコラボみたいなメニューがありました。お値段は¥420ナリ。
 駅そばは¥300エン台が当たり前だった気もしますが、物価高騰はこんなトコにも及んでるんですねぇ・・・
 出てきたお蕎麦は辛めのつゆに甘いお揚げとのコラボが絶品でした。

 お腹が膨れたところで上野東京ラインが発着する8番線へ。
 土曜日の朝8時前なのにけっこうな人だかりです。

常磐線・東北本線
特急ひたち3号  上野
(08:30)→仙台(12:28)

列車番号3M E657系電車(K6編成)

 やってきたのは常磐線特急「ひたち3号」。
 実は常磐線の昼行特急「ひたち」に乗るのは初めてです。高校生のころ、常磐線経由の寝台特急「ゆうづる」に乗って青森まで行ったことはあったけどね。
 常磐線特急ってちょっと前までは全列車が上野駅始発で趣ある地上ホームから発車してたけど、常磐線が上野東京ラインに組み込まれてからは上野駅も「途中駅」に。僅か数分の停車であわただしく発車していきました。なんとも風情が無くなりましたねぇ~

(写真は終着の仙台駅で撮影。)
 今回乗ったのはグリーン車♪
 JRE BANKの4割引き券は乗車券・特急券だけでなくグリーン券にも有効(なお、グランクラスは対象外。)なので、ちょいとゼイタクしちゃいました♪

(写真は終着の仙台駅で撮影。)
 一昔前と違って普通席同様の2×2アブレストになっちゃいましたけど、それでも座席の間隔は普通席プラス20cm。これなら仙台まで4時間弱の長旅でもまったく疲れません☆

 上野駅を出発すると、ひたち3号は柏駅までノンストップですっ飛ばします。水戸駅辺りまでは線形が良く列車によっては表定速度がまさかの100km超え。今回のひたち3号は先行する普通列車にアタマを抑えられてややスピードが落ちますが。

 常陸多賀駅からは海岸線沿いを走るようになり、カーブが多くなります。今日は接近する低気圧の影響で車窓はひたすら雨に滲んでました。

 ぼーっと過ごしていたら、広野駅に到着。東日本大震災の際、福島第一原発の事故や津波の影響で永らく不通となっていた区間に入ります。

 津波で駅舎が流され、さらに原発事故の影響で6年余り列車が来なくなっていた富岡駅に到着。

 大野駅を含む富岡駅~浪江駅間は枕木交換から植栽の伐採、路盤のすき取りなどかなり大掛かりに行われたようで、ついでに複線だったところも単線にされちゃったそうです。
 結果、この大野駅も1面1線の棒線駅に。まあ1日の利用者が600人程度みたいなので、それで十分なんでしょうね。

 浪江駅に到着。
 ちなみにこの浪江駅までが今は東京近郊区間に含まれていてSuica利用可能エリアとなっています。
 福島県までSuicaの東京エリアって・・・凄すぎる。

 終点の仙台駅に到着。
 グリーン車の乗客はこの終点仙台まで8割くらい埋まってました。水戸あたりから仙台へ行くとなると、上野に出て新幹線に乗りかえるよりもこの「ひたち」を使うほうが便利なんでしょうね。
 ワタシは新幹線コンコース内のNEWDAYSで駅弁を買ってから新幹線ホームへ向かいます。

東北新幹線 やまびこ57号
  仙台
(12:39)→北上(13:33)

列車番号57B E5系電車(U31編成)

 お昼時のやまびこ号はけっこう混雑してましたけど、最後尾の自由席に空席を見つけてほっとひと息。
 乗車時間は1時間もないので、さっそくランチタイム♪

 仙台駅でお買い上げしたのは「東北復興弁当」なるもの。東北の名物食材をぎっしり詰めたお弁当みたいです。

 ご飯は「青森県産さめ節入りだしと秋田県産“比内地鶏”スープの茶飯 宮城県産“ひとめぼれ”米使用」に「岩手県産 “菜彩鶏”そぼろ」。
 おかずは「キャベツ炒め 青森県産にんにく入り塩麹使用」「青森県産長芋わさび風味酢漬揚げ」「牛タン入り笹かまぼこ」「北三陸産わかめ炒り煮」「三陸産鮭味噌漬け焼き」「“福島牛”入りハンバーグの “高田梅”入り塩麹ソースのせ」「福島県産若桃の甘露煮」「がんもどき含め煮 秋田県産たらしょっつる使用」「秋田県産山菜醤油煮」「山形県産生芋玉こんにゃく煮」。
 いろんなおかずが少しずつ入ってて、これをアテにお酒を飲んだら美味しいだろうな~と思いつつ、まだ旅路は長いのでじっとガマンします(笑)

 北上駅に到着。
 乗り換え時間は10分もないので、急ぎ足で在来線ホームに向かいます。

北上線  快速  北上(13:42)→横手(14:55)
列車番号3731D キハ100形気動車(キハ100-46)

 端っこの1番線に停まっていたのは北上線のキハ100形。ローカル線らしく単行です。

 乗車してみると、車内はガラガラ。真昼間ですからねぇ~

 と思っていたら、盛岡からの上り普通列車が到着すると乗り換え客で席の8割くらいが埋まりました。けっこう人気なのね。

 北上駅を発車すると、列車はそこそこのスピードで北上盆地を西に向かいます。

 北上線は東北本線の北上駅から北上川の支流である和賀川沿いに西に向かい、分水嶺の巣郷峠を超えて雄物川の支流である黒沢川・横手川沿いに奥羽本線の横手駅に至る全長61.1kmの地方交通線。東北本線と奥羽本線とを結ぶ路線はこの北上線のほか盛岡~大曲を結ぶ田沢湖線(現・秋田新幹線)や小牛田~新庄を結ぶ陸羽東線、仙台~山形を結ぶ仙山線がありますが、この北上線はそれらの中でも比較的線形が良く大型機関車の乗り入れも可能だったため重宝されていたそうです。実際、山岳路線にありがちな「必殺徐行」はほとんど無く、常にそこそこの速度で走っていたような。
 そんなわけでかつてはこの北上線を経由する長距離優等列車や貨物列車もあったそうですが、新幹線の開業・延伸や鉄道貨物の衰退により今は普通列車が数時間に1本程度走るのみ。それでも秋田新幹線開業や山形新幹線新庄延伸に伴う改軌で田沢湖線や仙山線から奥羽本線への乗り入れが不可能となった今、数少ない奥羽本線と東北本線とを結ぶ連絡路線となっています。

 和賀仙人駅に到着。変わった駅名ですが、単純に「和賀町仙人」という当地の地名に由来するみたいです。
 ホームの向かいにはでっかいラッセル車が鎮座していました。このあたりは当然豪雪地帯なんでしょうね。

 第1,第2仙人トンネルを抜けると、湯田ダムを超えて紅葉の美しさで有名な錦秋湖が姿を見せます。
 錦秋湖は昭和30年代に12年もかけて建設された湯田ダムによるダム湖。二次大戦直後にカスリーン台風などにより大規模な洪水をもたらした北上川の治水を目的として建設された湯田ダム。旧北上線も水没エリアに含まれていたため大規模な線路付け替えが行われました。このダム自体も日本で数基しかない希少なものなのだとか。

 ダムのど真ん中に木が生えてます。
 昨年は10年に一度の定期点検で水位を下げたうえに、これから夏に向けてさらに水位が下がる時期なんだとか。
 にしても、あの木は葉が青々としていて、どう見ても生きてますよねぇ。水没してても生きられるのかしら。

 ほっとゆだ駅に到着。
 この駅、全国的にも珍しい、駅舎に温泉施設がある駅です。時間があればひと風呂浴びたいところですが、ここで降りると次の列車は3時間後・・・諦めて、このまま乗っていきます。

 列車は巣郷峠を超えて今度は日本海に注ぐ雄物川の支流、黒沢川沿いに峠を下っていきます。青々とした木々が綺麗ですねぇ~

 そういえばこの列車、一応「快速」なのですが通過する駅は終点の2つ手前にある小松川駅のみ。ちなみにこの小松川駅とお隣の相野々駅の間にはかつて平石駅が、そして相野々駅と横手駅との間にはかつて矢美津駅があり快速列車はこれら3駅とも通過していましたが、平石駅と矢美津駅はいずれも2022年に廃止されています。小松川駅が廃止になるのも時間の問題かもね。
 そうこうしているうちに、黒沢川は横手川に合流。列車は間もなく終点の横手駅に到着します。

 横手駅に到着。
 到着した1番線は北上線専用みたい。っていうか、終着駅が事実上の棒線駅なのかしら?
 本数が少ないから折り返しでも1面1線で足りちゃうのかしらねぇ。

奥羽本線  普通  横手(15:04)→大曲(15:21)
列車番号2445M 701系電車(N26編成)

 さて、感慨にふける間もなく奥羽本線に乗り継ぎます。
 やってきたのは悪名高い701系0番台。
 新庄~秋田間では秋田新幹線開業により在来線特急が消滅した代償としてクロスシートを装備した車両もあると聞いていたのですが、今回はハズレみたいです。

 向かった先は大曲駅。
 この先は終点の青森駅まで乗車したことがあるので、奥羽本線の未乗区間は明日乗る予定の横手~天童駅間を残すのみになりました♪

 折り返しの列車までちょっと時間があったので改札口を出てみると、駅ピアノが置いてありました。
 せっかくなのでFFXの”To Zanarkand”とFFX-2の”Eternity~memory of lightwaves”を演奏。横のベンチで列車待ちしていたおばちゃんから拍手をもらえました♪

 再びホームに戻ると、ちょうど秋田行きの新幹線が入線してくるところでした。

奥羽本線  普通  大曲(15:42)→横手(16:00)
列車番号446M 701系電車(N21編成)

 でもワタシが乗るのはこちら。またもやオールロングシートの701系です。ま、20分足らずの乗車時間だからどうでもいいけど。

 再び横手駅に戻ってきました。
 横手ってかまくらくらいしか知らなかったけど、秋田県内では秋田市に次ぐ人口第2位の都市だそうです。その割には電車は1時間に1本しかなく、駅もこぢんまりしているような。

 駅から徒歩数分のところにある「ホテルプラザ迎賓」が今宵のお宿。駅前にある「横手プラザホテル」「プラザホテルアネックス」も同じ系列らしく、中の通路でつながっていて迎賓の宿泊客はアネックスにある展望温泉なんかも利用できます。

 チェックインを済ませてお部屋へ。
 ドアを開けると玄関と短い廊下がありまして・・・

 広々としたお部屋!
 なんとなく、リビングエリアとベッドルームエリア、そしてライティングデスクのエリアに分かれています。

 そして大部屋の入口にはパウダールームのエリアも。おっさんには良くわからないけど、アメニティも充実してるっぽいです。

 ベッドルームエリア。ちゃんと仕切りには壁掛けの大型テレビも付いています。

 ライティングデスク。左側には収納スペースもついてます。

 トイレは独立していてちゃんとウォシュレット付き。

 とってもゼイタクなこのお部屋。でも1泊2食で3万円弱でした。
 都内のホテルでこの広さだといくらするんだろ?

 さて、荷解きをしたらさっそくお風呂へ。
 もちろん天然温泉なのですが、この「迎賓」に併設されている露天風呂付きの大浴場のほか、↑に書いたように連絡通路でつながっているお隣の「アネックス」最上階にある展望浴場や貸切風呂も利用できます。しかも、迎賓宿泊客は貸切風呂が1回に限り無料だそうで・・・ゼイタクですねぇ~♪

 お風呂の後は、お楽しみの夕食。
 秋田と言えば、地酒「新政」が有名。さっそく新政「コスモス」をボトルで注文♪
 なぜかシャンパングラスとともに出てきたのですが、注いでもらって納得。微発砲で薫り高く、シャンパングラスでいただくのがピッタリでした。

 食事処は個室。ただ障子で仕切られてるだけなので、宴会場周辺を走り回る子供たちの声がめっちゃ響いてました。ま、これも田舎町らしくていいけど。

 さて、本日の献立はまず前菜4点盛り。いきなりアワビが登場しているのが贅沢です。
 春野菜の菜園風サラダに刺身3点盛り。そして椀物は海老団子の清汁。
 焼物は春鱒のパイ包み焼きでこれが酒のアテにピッタリでした。
 台物は秋田の地の物のセイロ蒸し。サザエが美味しかった♪
 秋田牛のグリルはとろけそうな絶品のお肉を堪能。トドメとばかりに鰆の包み揚げと春野菜の天ぷら、そして筍御飯に味噌汁、香の物。
 デザートにプリンとケーキが出てきてお腹いっぱいでした♪

 さすがに4合瓶を空けて酔いが回ったので、酔い覚ましに貸切風呂へ。
 檜の香りが漂う貸切風呂は、洗い場が少々狭いものの湯舟はちゃんと足を伸ばせる広さがあって快適でした。

カテゴリー: 乗り鉄, 旅行<東北・関東甲信越・東京離島>, 食べ物 パーマリンク

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