マイル修行 その2〜対馬編(前編)〜
「マイル修行その1(前編)」にも書いたとおり,
修行僧は時刻表をじっくりと眺めて運賃単価の安い路線を探しています。
そんな中,伊豆諸島便と並んで人気があるのが「福岡=対馬」線。
何しろ,「旅割」運賃では破格の\7,550というお値段がズラリと並んでいるのです。
特定の便であればこれより安い便もありますが(たとえば那覇=宮古便など),せいぜい早朝夜間の
1,2便のみ。ところが,この福岡=対馬便は日中のすべての便がこの値段なのです。
しかも,ワタシが修行した当時,福岡=対馬間は1日に6往復していました。ということは,福岡=対馬間を
行ったり来たりすれば1日で登場回数10回を格安で稼げてしまうわけです。
というわけで,ワタシは泊まりがけでこんな修行をしてみました…
※注意! 現在は航空ダイヤが変更され,この搭乗パターンは利用できません!
○月×日 AM6:20 羽田空港にて
早朝(?)の高速バスで羽田空港へ。
出発ロビーの自動発券機で今日乗る分の航空券を発券すると…都合,9枚。
まるで,トランプのようです(笑)。
システムの都合で,チェックインできたのは羽田→福岡のANA241便,福岡=対馬間は最初の1往復
となるANA1691,ANA1692便まで。
あとはチェックイン未了のまま,持ち歩くことになりました。
ANA241便 福岡行きの搭乗口へ行くと,窓の向こうには普段乗っている伊豆諸島便では
決して見かけない超巨大なB777-300が停まっています。
羽田=福岡便は航空会社にとってはドル箱路線なんですね〜。
でも,B747-300とかB777-300といったデカイ飛行機はあんまり好きじゃありません。
とにかく「詰め込まれている」といった感じがしまして…
というわけでB747-300のときはアッパーデッキ(2階席)を愛用しているのですが,この日はあいにくB777。
逃げ場がないのでやむなく普通席の窓側でガマンです。
福岡空港には定刻に到着。
福岡空港はいかにも増築を繰り返しました!といった感じに第1ターミナルから第3ターミナルまでが
ロータリーの道路沿いに並んでいます。
到着ロビーは第3ターミナルなので,いったん外に出て端っこにある第1ターミナルへ向かいます。
「第1」というだけあって,こちらはかなり老朽した感じの建物。大阪便や中部便,東京便といった
幹線はすべて第2ターミナルからの出発で,第1ターミナルは四国便やワタシが乗る対馬便と行った
ローカル便オンリーとなっていることから,隣の喧噪をよそにこちらは何とものんびりした雰囲気が
漂います。
1カ所しかないけどガラガラの保安検査場を抜け,ANA1691便 対馬行き搭乗口Dに並びます。
回りを見渡すと…「同業者」らしき姿がほとんどです!
やがて登場が始まりゲートをくぐると,並んでいるボーディングブリッジをことごとく通過して
階段を下り,階段口に寄せられたバスへご案内。
バスは飛行場の端っこに停められたボンバルディアDHC8-Q400へ。
椿号に乗れなかったワタシは,ボンバルディア機初挑戦です。
機内は新しいだけあってとっても綺麗。シートも薄型でコンパクトながら座り心地は悪くありません。
ただ,席がエンジン近くだったのでちょっとうるさかったかな。静穏性を向上させて"Quiet"の"Q"を
冠した割には,ジェット機のB737-500の方がよっぽど静かだと思いました。
福岡=対馬間はマイルにして72マイル。
というわけで,わずか30分程度のフライトです。離陸して福岡上空で旋回して北に向かうと,
あっという間に着陸態勢に入ってしまいます。
低空を飛ぶので対馬上空からの眺めはとっても綺麗なのですが,すでに着陸態勢なので
デジカメの使用は厳禁。写真を撮れないのがとっても残念です…
対馬空港はローカルな空港ではお馴染みの沖止め。
一応B737-500用にボーディングブリッジもあるのですが,ボンQはブリッジが使えないのです。
タラップを降りると,そのままエプロンを歩いて到着口へ。そして,乗客の大半(=「修行僧」)は
脇目もふらずそのまま階段を上って出発口へ向かいます(笑)。
ワタシは1階ロビーのカウンターでこの先すべての便のチェックインをお願いしました。
6枚もの航空券をお姉さんに渡すのはちょっと恥ずかしかったのですが,さすがは修行僧の聖地「対馬」。
お姉さんはすっかり慣れた感じでチェックイン手続きを完了してくれました(笑)。
空港ビルを出ると,そこはロータリー。
目の前には対馬名物ヒオウギ貝を象ったモニュメントが。そーいや,空港売店でも売っていましたね。
そして,当然空港ロータリーなのでタクシーが数台停まっています。
運転手さんたちは,怪訝そうな顔で空港ビル内を覗き込んでいました。
「飛行機が着いたのに,客がほとんど出てこないなぁ〜」
「どうしてだろー?」
……当然のギモンですね。
お答えしましょう。客の大半が「修行僧」だからです(爆)。
階段を上ると,保安検査場の入り口,そして土産物屋や食堂がコンパクトに
並んでいます。保安検査場を抜けると,その向こうにやはり小さな待合室。そして
搭乗口が。
やがてANA1692便 福岡行きの搭乗開始。
搭乗口を抜けて階段を下り,さっき歩いたエプロンを逆方向に向かうと,これまた
さっき乗ってきた飛行機が。
先手を打ってCAさんに「ただいま」とご挨拶。
「お帰りなさい」という返事をもらって自分の席へ向かいます。
さすがは手慣れた修行僧。あっという間に搭乗完了し,速やかに出発。
先ほど飛んできたルートを逆に進んで,無事福岡空港に到着です。
福岡空港では,空港外れにある駐機場からバスで見覚えのある階段口へ運ばれます。
階段を上って到着口に向かおうとすると,GH(地上係員)さんが大声で修行僧に招集をかけていました(笑)。
「引き続き 1693便対馬行きにご搭乗のお客様はこちらにお集まりくださーい!」
ぞろぞろと集まる修行僧。つごう,30名弱といったところでしょうか?
ひととおり集まると,到着ロビーへは向かわず,見覚えのある搭乗改札口を逆行。
そのまま,折り返し便の搭乗待合室にご案内されました。
うーん,修行僧は外に出してすらもらえないのね(爆)。
この後,
1693便 対馬行き
1694便 福岡行き
4933便 対馬行き
4934便 福岡行き
4935便 対馬行き
4936便 福岡行きと福岡=対馬間をひたすらピストンし,福岡市内のビジネスホテルに着いたのは夜8時過ぎ。
心地よい疲れにあっという間に眠りに落ちたのでした…
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